移植手術後の脂肪組織の体積変化の特性を動物実験から明らかにした。Zuckerラットを使用した下腹部脂肪移植モデルを作成し、栄養血管に虚血や鬱血のストレスを与えて術後の体積変化を比較検討した。また移植組織の血流の指標として組織中の毛細血管密度を測定した。ストレスが加わらない場合、術後12週間の経過で移植脂肪の体積変化は34.7%であり、ストレスが加わると体積変化は13.2%と体積減少が大きかった。脂肪組織中の毛細血管密度は体積変化率と有意な相関を示した(p=0.011)。今回得られたデータは、実際の組織移植・再建手術において最適な術式選択と最適な移植組織量の決定に重要な情報となり得る。
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