皮下脂肪組織から脂肪組織由来多系統前駆細胞(ADMP細胞)を単離し、薬剤添加培地で培養し、遺伝子導入によらない平滑筋細胞への分化誘導技術を最適化した。また、こうして得られた細胞の動物への細胞移植実験で平滑筋細胞への分化と生着・平滑筋組織構築の検討を行い、採取・培養・注入条件をさらに最適化した。 本研究の成果は、安全で低侵襲な平滑筋機能障害性疾患の治療の開発へと繋がることが期待される。例えば、腹部の皮下脂肪を少量吸引し、遺伝子操作を加えずに薬剤処理したADMP細胞の注入による、先天性・筋原性・老人性眼瞼下垂症、排尿や排便の括約筋などの再建などの平滑筋機能障害の革新的な治療の開発である。
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