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2012 年度 実施状況報告書

MiR-21とTGFβシグナル経路の相互作用:難治性創傷における重要性

研究課題

研究課題/領域番号 24592716
研究種目

基盤研究(C)

研究機関宮崎大学

研究代表者

マドゥエスタ ラダ  宮崎大学, 医学部, 助教 (80381078)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードmicroRNA / 創傷治癒
研究概要

本研究では、in vitroおよびin vivoの実験系により、糖尿病性創傷において(a)TGFβシグナル経路がmiR-21発現におよぼす影響、および (b) miR-21がTGFβシグナル経路に及ぼす影響を明らかにするとともに、(c) miR-21の減少と創傷治癒の遷延化の関係について明らかにする。miR-21とTGFβ1シグナル経路の相互作用を調べるために発現促進物質あるいはアンタゴニスト(機能獲得と機能喪失型のアプローチ)を利用し,リアルタイムPCR,遺伝子レポーターアッセイ,電気泳動移動度シフト解析(EMSA)およびクロマチン免疫沈降法(CHIP)などの手法により研究を進めている。マウス繊維芽細胞を用いてのin vitro実験により、高糖(high glucose)条件でのmiR-21の発現を調べたところ、計時的な発現変更が見られた。高糖条件でTGFβ1プラスミドベクターを細胞内へ導入させることでmiR-21の発現が増加される。反対にTGFβ1をノックダウンするとmiR-21発現が下方制御される。miR-21 遺伝子のプロモーター領域には転写制御因子であるNFkBの結合部位がある。NFkBの活性化を抑制することにより高糖条件でのTGFβ1によるmiR-21の上方制御が抑制される。一方では、NFkB活性化によりTGFβ1自体の発現が抑制される。現在、TGFβ1-NFkB-miR-21 経由あるいはNFkB-TGFβ1-miR-21 経由を検定するところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的はmiR-21とTGFβファミリーの相互作用を明らかにするとともに、難治性創傷において創傷治癒の遷延化に対しmiR-21が果たす役割およびその機序を明らかにする。研究計画として実験を三つに分けることにした: (a)TGFβシグナル経路がmiR-21発現におよぼす影響、(b) miR-21がTGFβシグナル経路に及ぼす影響、(c) miR-21の減少と創傷治癒の遷延化の関係。本年度では計画通りマウス繊維芽細胞を用いてのin vitro実験により(a)TGFβシグナル経路がmiR-21発現におよぼす影響を知ることができた。高糖条件でTGFβ1によるmiR-21発現上方制御があきらかになった。また、TGFβ1によるmiR-21発現上方制御にはNFkB転写制御因子が必要であることがわかった。現在、TGFβ1-NFkB-miR-21 経由あるいはNFkB-TGFβ1-miR-21 経由を検定するところである。

今後の研究の推進方策

今後の計画は、NFkB転写御製因子がTGFβ1による活性化されるかはEMSA (Electrophoretic Mobility Shift Assay)およびレポーターアッセイにより明らかにする。EMSA方法ではそれぞれ転写御製因子のオリゴを用いて細胞核内の活動を調べる。レポーターアッセイ方法でそれぞれ転写御製因子の遺伝子破片を含むルシフェラ-ゼプラスミドベクター(luciferase vector)をTGFβ1 の過剰発現している細胞内へ導入し,転写御製因子活性を測定する。このことでどちらの転写御製因子を介してTGFβ1によるmiR-21 発現制御を受けていることが明らかになる。
miR-21 によるTGFβシグナル経路の御製:miR-21 発現を過剰あるいはノックダウンされた細胞を持ちいて,免疫組織化学的検査(IHC),Realtime PCR および免疫ブロット法によりTGFβファミリー(特にTGFβ1, TGFβR2, SMADs 2, 3, 4, 6, 7)の発現を解析する。TGFβR2 とSMAD7mRNA の3’UTR にmiR-21 と相補的な塩基配列が存在しているため,これらのmRNA がmiR-21 の標的であろうと予想されている。miR-21 結合部位を含む3’UTR 断片あるいはそれの変異型をluciferase vector の中に連結して,そのベクターをmiR-21 発現過剰あるいはノックダウンされた細胞へ導入して,レポーターアッセイにより転写プロモータの活性を測定することでTGFβR2 とSMAD7mRNA がmiR-21 の標的であろうかどうかを確認される。さらにmiRNAは主に翻訳阻害とmRNA の切断という二つのプロセスで標的RNA を制御している。これはPCRと免疫ブロットにより確認することができる。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

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公開日: 2014-07-24  

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