今後の研究の推進方策 |
今後の計画は、NFkB転写御製因子がTGFβ1による活性化されるかはEMSA (Electrophoretic Mobility Shift Assay)およびレポーターアッセイにより明らかにする。EMSA方法ではそれぞれ転写御製因子のオリゴを用いて細胞核内の活動を調べる。レポーターアッセイ方法でそれぞれ転写御製因子の遺伝子破片を含むルシフェラ-ゼプラスミドベクター(luciferase vector)をTGFβ1 の過剰発現している細胞内へ導入し,転写御製因子活性を測定する。このことでどちらの転写御製因子を介してTGFβ1によるmiR-21 発現制御を受けていることが明らかになる。 miR-21 によるTGFβシグナル経路の御製:miR-21 発現を過剰あるいはノックダウンされた細胞を持ちいて,免疫組織化学的検査(IHC),Realtime PCR および免疫ブロット法によりTGFβファミリー(特にTGFβ1, TGFβR2, SMADs 2, 3, 4, 6, 7)の発現を解析する。TGFβR2 とSMAD7mRNA の3’UTR にmiR-21 と相補的な塩基配列が存在しているため,これらのmRNA がmiR-21 の標的であろうと予想されている。miR-21 結合部位を含む3’UTR 断片あるいはそれの変異型をluciferase vector の中に連結して,そのベクターをmiR-21 発現過剰あるいはノックダウンされた細胞へ導入して,レポーターアッセイにより転写プロモータの活性を測定することでTGFβR2 とSMAD7mRNA がmiR-21 の標的であろうかどうかを確認される。さらにmiRNAは主に翻訳阻害とmRNA の切断という二つのプロセスで標的RNA を制御している。これはPCRと免疫ブロットにより確認することができる。
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