研究課題/領域番号 |
24592718
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
菅原 康志 自治医科大学, 医学部, 教授 (60260494)
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研究分担者 |
須永 中 自治医科大学, 医学部, 助教 (00406117)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 血管内皮間葉転換 / 創傷治癒 / 遺伝子改変マウス |
研究概要 |
臓器線維化疾患における線維芽細胞の中には血管内皮由来細胞が存在することが、複数の研究で明らかになっている。このように血管内皮に分化した細胞が、間葉系細胞の性質を獲得することを、血管内皮間葉転換という。ケロイドや肥厚性瘢痕のような皮膚線維増殖性疾患においても同様の現象が起きている可能性はあるが、そのことを証明した報告はない。遺伝子改変技術を応用して、血管内皮由来細胞を生体内で追跡することにより、マウスの肥厚性瘢痕における血管内皮間葉転換の関与を直接証明することが、本研究の目的である。 まず初めに我々は、血管内皮細胞特異的にCre recombinaseを発現するマウス(Tie2-Creマウス: B6.Cg-Tg(Tek-Cre)1Ywa/J)と、Cre recombinase依存的に蛍光発色するマウス(Ai14マウス: B6.Cg-Gt(ROSA)26Sortm14(CAG-tdTomato)Hze/J)を海外より購入した。各種申請手続きと納入に予想外の時間がかかり、年度の後半になってやっと交配を開始できた。生まれてきた仔マウスは、尾からgenomic DNAを抽出し、指定されたprimerを用いたPCRによるgenotypingを行うことにより、遺伝子改変の有無を判定した。 現在、Tie2Cre;Ai14のヘテロマウスを得たところであり、preliminary studyにより、血管内皮特異的な蛍光発色を確認できた段階である。今後は、さらなる交配によりホモマウスを作製したうえで、創傷治癒過程の観察実験を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遺伝子改変マウス導入に必要な各種申請手続きに予想以上の時間がかかり、交配の開始が遅れてしまったため、ホモマウスまで作製する予定が、ヘテロマウスまでしか作製できなかった。現在、ヘテロマウス同士の交配ペアが妊娠中である。遅れは軽微であり、平成25年度の予定に大幅な変更はない。
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今後の研究の推進方策 |
遺伝子改変マウスの交配をすすめ、目的遺伝子のホモマウスを作製する。作製したマウスを用いた創傷治癒過程を組織学的・分子生物学的に解析する。また、血管内皮細胞を用いたin vito実験も行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
以下の項目において研究費を使用する予定である。 1: 遺伝子作製マウスの維持・繁殖に必要な経費、2: マウスに創傷を作製するための各種機器、3: マウスの創傷治癒過程の組織学的解析に必要な各種試薬・備品、4: 血管内皮細胞を用いた分子生物学的実験に必要な各種試薬・備品、5: 学会発表・論文投稿などアウトプットに必要な経費
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