研究課題/領域番号 |
24592721
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
副島 一孝 日本大学, 医学部, 准教授 (00246589)
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研究分担者 |
樫村 勉 日本大学, 医学部, 助教 (20570740)
松本 太郎 日本大学, 医学部, 教授 (50366580)
仲沢 弘明 日本大学, 医学部, 教授 (60180270)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 脱分化脂肪 |
研究概要 |
[目的] 1)人工真皮移植に際してDFATによる真皮様組織構築促進効果、血管新生促進効果の検討を行うことを目的に以下の実験を行った。また、DFATとbFGFの相乗効果を期待してbFGFの効果についても併せて検討した。2)人工真皮への培養表皮の生着率改善をめざして、人工真皮にDFATを投与することで構築される真皮様組織内にcollagen type IVが増加することの検証を行った。 [方法] 1)SD系ラットの腹腔内脂肪より脱分化脂肪(DFAT)の単離・培養を行い、またGFPトランスジェニックラットからもDFATの単離・培養を行った。DFATを調整したラットと同種同系ラットを用いて、背部に皮膚欠損創を作成して人工真皮(Pelnac, グンゼ社製)を移植する実験モデルを作成した。人工真皮単独移植群、DFAT治療群、bFGF治療群、DFAT+bFGF治療群を作成し、移植後2,7日目に組織学的検索を行った。2)人工真皮移植時にDFATを投与し、2週間後に組織を採取してcollagen type IVの免疫染色を実施した。 [結果] 1)移植後2日目ではDFAT+bFGF治療群のみで、人工真皮下層への血管侵入が確認され、移植後7日目ではDFAT+bFGF治療群で、bFGF投与量に依存して真皮様組織構築促進は有意に促進され、血管新生も著明に促進された。また、GFPトランスジェニックラット由来のDFATを移植した動物で、真皮様組織内にいDFATと血管内皮細胞(isolectin B4)の2重陽性像が確認されDFATが血管内皮細胞に分化したことが示唆された。2)DFATの単独投与ではcollagen tupeIVの増加は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ラット全層皮膚欠創に対する人工真皮移植時の真皮様組織構築促進効果、血管新生促進効果の検討については、研究の目的を達成でき、平成25年度以降の実験の基礎データとして有意義なものとなった。 人工真皮への培養表皮生着率改善を目指しての人工真皮内への基底膜構成因子の増加については、DFAT単独投与ではcollagen type IVの増加が確認されず、想定した結果と異なった。
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今後の研究の推進方策 |
ラット実験モデルでの基礎データを元に、大動物を用いた人工真皮と分層皮膚の同時移植の実験、培養表皮移植実験を行う。 H25年度はブタを用いて皮膚全層欠損創への人工真皮と分層皮膚の同時移植の実験を行う。 H26年度はブタ表皮細胞の培養を行い、人工真皮移植後に培養表皮を移植する実験を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
H25年度の直接経費は140万円の予定である。 実験動物としてのブタの購入に60万円、実験に使用する縫合糸、手術器具などの購入に10万円、組織標本作製に40万円をそれぞれ予定している。 また、研究成果報告のための国内、国際学会への旅費として30万円を予定している。
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