研究課題/領域番号 |
24592721
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
副島 一孝 日本大学, 医学部, 准教授 (00246589)
|
研究分担者 |
樫村 勉 日本大学, 医学部, 助教 (20570740)
松本 太郎 日本大学, 医学部, 教授 (50366580)
仲沢 弘明 日本大学, 医学部, 教授 (60180270)
|
キーワード | 脱分化脂肪 |
研究概要 |
[目的]本研究の目的は多分化能を有する脱分化脂肪細胞(dedifferentiated fat cells、以下DFAT)含有人工真皮による新規な皮膚再建方法の開発である。前年度にラット背部の全層皮膚欠損創にDFAT含有人工真皮を移植する実験モデルを作製し、DFATの新生血管侵入促進効果を確認した。今年度は大動物を用いて、人工真皮と分層皮膚の同時移植の可能性について検討した。 [方法] ブタ背部皮下脂肪よりDFATの単離・培養を行った。2週間後に同一のブタの背部に皮膚全層欠損創を作成して人工真皮(Pelnac, コラーゲンスポンジ単層タイプ、グンゼ社製)を移植し、その上に隣接部より採取した分層皮膚(12/1,000inch厚)を同時に移植する実験モデルを作成した。対照群(人工真皮のみ移植)と治療群(DFAT+bFGF移植群)を作成し、移植後10日目に開創して組織学的に検索を行った。 [結果]対照群では人工真皮と分層皮膚の同時移植による生着は得られなかった。それに対して、自家培養DFATとbFGFを併用投与した治療群では人工真皮と分層皮膚の良好な生着が得られることが確認された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度の小動物による基礎実験データに基づき、大動物を用いた実験を行い想定通りの結果が得られた。実験計画書ではミニブタを使用する予定であったが、ミニブタは高価であったので家畜ブタを用いて実験を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度はブタ表皮細胞の培養を行い、同種真皮上および人工真皮上への培養表皮移植実験を行い、培養表皮生着へのDFATの有用性を検討する予定である。特に基底膜の再構築過程を組織学的に検討する予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
病理組織標本作製費用が予定していた金額よりも安価であったため。 次年度には免疫染色標本、電子顕微鏡標本作製を予定しておりその費用に充填する予定である。
|