皮膚や潰瘍底には、分子量の大きい薬剤や物質を皮膚潰瘍底の瘢痕を透過させない保護機能が備わっている。有効な薬剤や物質を透過できれば、皮膚の創傷治癒や抗加齢を目指すことができる。今回、電気穿孔法(EP法)により、無侵襲でより高分子である20-100kDレベルの増殖因子の透過性を検討した。 EP法のヒト皮膚への侵襲、bFGFや複合サイトカインである多血小板血漿(PRP)の導入を検証した。電圧80Vでは、皮膚への軽度の刺激性は生じたが、導入時のみの刺激であり、永続的な損傷なく導入を行うことができた。同条件においてEP法によるサイトカインの皮膚導入効果を上げることを認めたが、今後さらに詳細な検討を要する。
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