研究概要 |
本研究で開発を進めている既存のものより簡便でベッドサイドで暗算が可能である外傷重症度スコア、TRIAGES scoreは、日本外傷データバンク2010年度版をもとに開発したものであるが、データベースが2012年に更新されたため、新たにスコアの開発と内部検証を改めて行った( http://www.jtcr-jatec.org/traumabank/index.htm )。また、London School of Hygiene & Tropical Medicine のProfessor Ian Roberts からランダム化試験CRASH-2のコホート(Lancet. 2010 376:23-32. http://crash2.ishtm.ac.uk )の提供を受けて外部検証コホートとした。 外傷患者の死亡予測を転帰とし、その予測精度を従来のThe Revised Trauma Score, RTS (J Trauma 29:623-629,1989)と比較したところ、内部検証ではarea under curve, AUC (0.914 vs. 0.897, P<.001)、net reclassification improvement, NRI (+0.271, P<.001)、といずれもTRIAGES scoreはRTSより優れていた。外部検証では、AUCでは差がなかったが (0.814 vs. 0.812, P=0.489)、NRIではやはり優れていた (+0.093, P<.001)。既存のスコアより簡便であるのに、予測精度に優れていることが確認された。 上記の研究結果は、日本救急医学会総会で発表した。2013年中の投稿を目指し、英文論文を作成中である。
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