研究課題/領域番号 |
24592731
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
白石 淳 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (40401343)
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研究分担者 |
大友 康裕 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40176946)
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キーワード | 外傷 / 外傷疫学 / 予測モデル / コホート研究 / 診断精度 |
研究概要 |
本研究で開発を進めている既存のものよりも簡便でベッドサイドで暗算が可能である外傷重症度スコア、TRIAGES scoreは、2014年に更新された最新の日本外傷データバンクのデータを最終の対象コホートとしてスコアの構築と外部検証を進めている。現行のスコアはcomplete data analysis(予測変数と目的変数に欠損値のある対象は除外して検討する手法)を前提としてロジスティック回帰分析を行っていたが、対象となる症例数が全体の50%以下になるなどのバイアスが無視できないため、構築コホート、検証コホート、また、London School of Hygiene & Tropical Medicine, Professor Ian Robertsから外部検証コホートとして提供を受けたCRASH-2コホート(Lancet 2010;376:23-32)の3コホートについて、欠損値の多重補完を行い、再度の解析を進めている。 多重補完前のスコアにおいて、既に既存のthe Revised Trauma Scoreよりも本スコアが死亡の転帰を予測することが優れている(Net Reclassification Improvement +0.271, P<0.001)ことを示し、European Congress of Trauma and Emergency Surgeryにおいて発表した(May 4-7, 2013, Lyon, France)。 現在、診断精度の研究のための報告ガイドラインであるSTARD statement(www.stard-statement.org)に準拠して解析と平行して論文化を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
統計解析はSTARD statementに準拠した最終的なモデルを確立しており、従来のものよりも簡便でかつ優れたものを提供できていることが既に確認されている。論文化も同様にSTARD statementに準拠して進行中である。論文発表と前後してオンラインデータベースとスマートフォン用ソフトウェアの開発を通じ、前向き検証を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
前述のように、オンラインデータベースとフマートフォン用ソフトウェアを通じ、日本外傷学会の外傷専門医研修施設に協力を依頼した上で前向き検証を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
オンラインデータベースの開発が進捗しておらず、このために計上した人件費やサーバー使用料金が繰越しとなった。また学会旅費の使用が想定よりも少なくて済んだ。 次年度以降にオンラインデータベースの立ち上げを行う。また、論文化のための諸費用、学会発表のための諸費用として使用する。
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