研究実績の概要 |
日本外傷データバンクの登録データから16歳以上の外傷患者の一部を対象とし、緊急室到着時の年齢と生理学的指標(意識、呼吸、血圧)から簡便に評価できる外傷重症度スコア(Trauma rating index in age, Glasgow coma scale, respiratory rate and systolic blood pressure, TRIAGES score)を作成した。日本外傷データバンクの残りの登録データを用いた内部検証と、CRASH-2(Clinical randomisation of antifibrinolytics in significant hemorrhage -2)試験の登録症例を用いた外部検証において、既存のthe revised trauma score (RTS)とthe mechanism, Glasgow coma scale, and pressure (MGAP) scoreと比較した結果、TRIAGES scoreがより高い予測精度を示した。 論文はAnnals of Emergency Medicine誌に投稿中である。掲載されれば、本研究で開発したTRIAGES scoreを計算する機能を備えたweb pageを一般公開し、普及を図る予定としている。加えて、TRIAGES scoreは日本救急医学会が主催し2016-2017年に症例登録を行った多施設前向き共同研究(JAAM FORECAST 研究)での外部検証を予定している。 また、外傷領域の診断精度研究と転帰予測研究を中心とした複数の派生研究が進行し、そこからすでに2論文がBritish Journal of Surgery誌とJournal of the American College of Surgeons誌に掲載された。
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