研究課題/領域番号 |
24592733
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石見 拓 京都大学, 保健管理センター, 教授 (60437291)
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研究分担者 |
川村 孝 京都大学, 保健管理センター, 教授 (10252230)
嶋津 岳士 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50196474)
入澤 太郎 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (50379202)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 救急蘇生学 / 心臓突然死 / 集中治療 / 心肺蘇生 |
研究実績の概要 |
本研究は,院外心停止例の搬送先病院の治療体制及び,低体温療法などの病院到着後の集中治療に関するデータを前向きに登録・分析し,①院外心停止例に対する病院到着後の治療体制・治療内容の実態把握,②院外心停止例の搬送先選定基準の検討・予後予測因子の検討,③院外心停止からの社会復帰率向上に寄与する治療体制・集中治療の検討を進めることを目的としている.研究初年度となる24年度に,米国ワシントン大学等先行地域の視察を行い,視察結果を反映した登録システムを構築し,大阪府下の救命救急センターの協力を得て,大阪府で発生した院外心停止例のうち,救急隊が蘇生処置を行い協力医療機関に搬送されたものを対象に,前向き・多施設コホート研究を確立し集計を開始した.すでに確立している消防機関による病院前での蘇生処置に関するデータを入手し,匿名化した状態で連結を行うことで、データの二重登録を避けた.研究事務局にデータマネージャーを確保し,データの質を維持するとともに研究参加施設の現場負担が少ない体制を構築し,登録症例数を確保した.26年度には24年データの病院前蘇生記録と病院到着後蘇生記録をマッチングし,688症例のデータを確定させた.688例について記述的分析を行った結果,救命救急センター間でも治療内容が異なること,低体温療法等の適応にガイドラインとの解離があることが示唆された.本分析の結果については平成27年度内に学会発表,学術論文化を予定している.平成27年3月末現在で4,000例以上の症例が集積されており,研究は順調に推移した.今後は基盤研究(B)に発展させ,毎年2,000件以上の症例登録を継続するとともに,病院前蘇生記録とのマッチングを進め,症例数を増やしたうえで院外心停止例の搬送先選定基準の検討・予後予測因子の検討,院外心停止からの社会復帰率向上に寄与する治療体制・集中治療の検討を進めていく予定である.
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