研究課題/領域番号 |
24592736
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
松田 憲昌 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (30448279)
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研究分担者 |
松本 美志也 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60243664)
若松 弘也 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (80379966)
松本 聡 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70346568)
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キーワード | リハビリテーション / 敗血症 / ICU |
研究概要 |
ICU入室となる重症患者は時に長期にわたる人工呼吸を要することがある。長期人工呼吸管理患者は、顕著な運動機能やADL(Activitie s of Daily Living)の低下を呈し、ICU滞在も長期となり社会的、経済的にも問題となる。人工呼吸期間の長期化を防ぐことが求めら れる。ICU患者においては、経過とともに筋肉量の減少が指摘され、なかでも長期人工呼吸管理患者は筋肉量減少が著明であるとされ る。筋力・筋肉量の客観的評価方法も明らかでない。 筋肉量はMRIにより測定されるのが一般的であり正確性も高いとされるが、ICU患者においてMRI撮影を行うのは困難である。筋エコ ーはICUを含み広く使用され、正確性はMRIと同様であるとされる。四肢および体幹9箇所の生体電気インピーダンスを測定する高精度筋量計を使用することにより、筋肉量を簡易かつ非侵襲的に測定することが可能であるが、しかし、ICUでの使用報告はない。 平成25年度は、ICUにおける筋肉量の変化と測定法の違いについて検討した。対象は重症感染症にて5日間以上人工呼吸管理となった成人患者とした。初回測定は挿管後24時間以内、初回後48時間毎に右大腿四頭筋層径(エコー)、筋肉量(インピーダンス法)、最大筋力(インピーダンス法)、右下腿徒手筋力テスト評価を行った。 結果はエコーでは挿管後より著しく筋肉量の低下が観察され、7日前後で50%未満にまで筋肉量の低下がみられた。立位訓練を行った症例では、訓練開始後に筋肉量の低下割合が改善された。ICUでの急性期においてはインピーダンス法とエコーによる筋肉量の変化、インピーダンス法と徒手筋力テスト測定による筋力の変化は相関は見られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
急性期においては、エコーによる大腿四頭筋層径の測定により筋肉量の低下は測定可能であるが、インピーダンス法を用いた筋肉量・筋力の測定は困難であることが示された。しかし、筋肉量の低下を予防し予後の改善につなげるためのリハビリテーションの方法の確立は出来ていない。
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今後の研究の推進方策 |
現在の研究を継続しICUにおいて、簡便な筋肉量と筋力の測定方法を確立する。 また、患者(長期挿管中)を2群に分け、リハビリテーションの方法により筋肉量の違いが見られるかどうかを研究する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は、長期挿管患者を2群にわけ、リハビリテーションの違いが筋肉量の変化を生じるかを調べる予定であったが、本年度は研究を見送る事になったため、未使用額が生じた。 リハビリテーションを行う物品の購入(EMSの電極)とエコー用紙などの消耗品、国内の学会発表の旅費に使用する。
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