研究課題/領域番号 |
24592738
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
小田 泰崇 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40397998)
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研究分担者 |
藤田 基 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50380001)
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キーワード | 虚血再灌流障害 / 心停止 / 蘇生 / 脳保護 / 低体温療法 |
研究概要 |
平成25年度はラット心停止モデルを用いて、脳低温療法と薬剤の併用療法が相加的な脳保護効果を有するか検討した。心停止は窒息で誘発する計画であったが、平成24年度に前倒しで施行したビーグル犬心停止に心室細動を用いたことから、ラットにおいても同様の方法を用いた。体表面から心外膜に針電極を留置し、1mA/3minの電気刺激で、8分間の心室細動を誘発して心停止とした。心肺蘇生(胸骨圧迫、人工呼吸)を行い、強心薬(アドレナリン)、除細動(3J)を併用して、概ね3分程度で自己心拍は再開した。心停止群、脳低温療法群、薬剤群、脳低温療法+薬剤併用群に振り分け、症例を蓄積中である。 スーパーオキシドラジカルについては測定用センサーの供給が滞っており、データ収集ができていない。効果判定手法として、ラジカル代謝産物、炎症マーカー測定、組織学的評価を動物実験と同時に行い、予備的に解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ラット心停止作成の方法を致死性不整脈である心室細動に変更したため、モデルの習熟に時間を要した。 また、スーパーオキシドラジカルについては測定用センサーの供給が滞っており、データ収集が困難な状況である。今後の供給が再開されるかは未定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度のラット心停止モデルの習熟により、動物実験については脳低温療法と薬剤の併用療法の有効性の検討を継続し、併用療法がtherapeutic time windowに与える影響の検討について開始する。 ラジカル測定用センサーの供給が困難な場合は、効果判定の手法としてバイオマーカーの測定ならびに組織学的検討を中心に行う予定である。平成26年3月より、技術補佐員を雇用した。これにより研究の推進の加速が見込まれる。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、ラット心停止作成の方法を致死性不整脈である心室細動に変更したため、モデルの習熟に時間を要し、脳低温療法と薬剤の併用療法の有効性の検討に用いる消耗品の購入を一部見送ったこと、また、スーパーオキシドラジカル動態の解明に用いる測定用センサーの市場での供給が滞っており、入手できなかったことから未使用額が生じた。 未使用額については、平成26年度の研究費と合わせて、動物実験ならびに消耗品(試薬・キット類、抗体)の購入に充てる。また、平成26年度は、研究成果の発表のため、国内外学会での発表を予定している。
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