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2012 年度 実施状況報告書

学校における心停止の疫学調査

研究課題

研究課題/領域番号 24592743
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪市立大学

研究代表者

西内 辰也  大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60588804)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード病院外心停止 / 学校 / 運動 / 心室細動 / 自動体外式除細動器
研究概要

大阪府の学校における心停止に関する疫学調査および論文作成は予定通り進行している。研究目的である学校における心停止の実態、特に心停止の発生頻度、原因、予後、特徴について明らかとなった。発生頻度は稀ではあるが、児童・生徒における発生頻度は米国・シアトルと同程度であった。一方、成人では発生頻度に10倍の差があることが判明し、虚血性性心疾患の有病率の差が影響している可能性があると推察された。また、背景に心臓疾患を有する者が多く、運動時に心停止を発症している者が多かった。内因性心停止のうち約70%が心室細動であり、約30%の心停止患者が社会復帰した。学校に広く普及している自動体外式除細動器が活用されれば、学校における心停止の予後は改善するものと期待される。学校における心停止は平成25年5月頃に英文学術雑誌への投稿を予定している。
科学的根拠に基づいた救護活動指針“Medical Emergency Response Plan”を策定のためのアンケート調査は、当初予定していた大阪市における調査が不可能となったため、大阪府枚方市において協力を依頼し、現在実施中である。
申請者は平成24年11月に大阪市立大学において市民公開シンポジウム「病院外心停止の未来」と題し、医療従事者のみならず広く市民も対象とした講演会を開催した。韓国・台湾、米国からも演者を招き、病院外心停止における病院前救護の重要性について市民に教授する機会を設けた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度計画「学校における心停止の実態調査」については順調に進展しており、学術論文として投稿目前である。「心停止発生時の対応策、心肺蘇生教育、AED設置状況に関するアンケート調査について」については当初予定していた大阪市における調査が不可能となった。公的機関(例:教育委員会)を通じての依頼は困難と考えられるため、学校保健に最も関連する養護教諭の団体の方々に集まっていただき会議を開催した。このうち、枚方市での協力が得られたため、やや遅れているもののアンケート調査のpilot studyを平成25年4月上旬に実施した。

今後の研究の推進方策

研究申請書類に記載したとおり、平成25年度は「学校における心停止の実態調査」の調査結果をもとに「救護活動指針(Medical Emergency Response Plan)の策定」を実施する。「学校における心停止の実態調査」については学術論文として投稿目前となっており、研究実施の障害はないと考えている。「心停止発生時の対応策、心肺蘇生教育、AED設置状況に関するアンケート調査について」は枚方市以外への協力を求めており、すでに大阪府下の養護教諭関連の団体を通じて協力可能との返事をいただいている。またさいたま市、福岡市の教育委員会関係者にもアンケート調査への協力を依頼しており、アンケート調査を続行する予定である。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度に実施予定であったアンケー調査が若干遅れているため、本年度にアンケート調査を実施した際に使用する予定である。さいたま市や福岡市でアンケート調査を実施する際には遠方であるため、調査申請書に計上した通り委託費を活用し実施する。
また、研究補助員の雇用が24年度はできなかったため、本年度あらためて募集し雇用する予定である。
「学校における心停止の実態調査」の調査結果について、パンフレット等により広く市民に発信するため費用として計上している。
本年度は韓国、インドにおいて病院外心停止関連の学会が開催される予定である。学校における運動関連心停止については米国やイタリアでは研究されているが、アジア地域では未だ注目されていないため、本研究結果を発表する機会にしたいと考えており渡航費を計上している。

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公開日: 2014-07-24  

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