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2012 年度 実施状況報告書

敗血症に対するADAMTS13の効果

研究課題

研究課題/領域番号 24592744
研究種目

基盤研究(C)

研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

西尾 健治  奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (60254489)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードADAMTS13 / 敗血症
研究概要

現在までに、ADAMTS13ノックアウトマウスを用いて脳虚血再還流実験を行い、ADAMTS13が脳虚血再還流時に生じる血栓形成と炎症を抑制して脳梗塞を軽減させることを見出し(Fujioka M, Nishio K, last author, 他14名:Blood. 115(8):1650-3, 2010)、続いて心筋梗塞モデルを用い、ADAMTS13ノックアウトマウスとワイルドタイプを比較することにより、ADAMTS13が心筋梗塞を軽減することを見出した(Doi M, Nishio K, 他11名:Thromb Haemost. Dec;108(6):1236-8, 2012)。さらに本年度は盲腸結紮穿刺による腹膜炎の敗血症モデルを用い、ADAMTS13によるDICや多臓器不全軽減効果を検討しているが、予想に反しADAMTS13ノックアウトマウスよりワイルドタイプの方が致死率が高く、ADAMTS13は炎症を増大させる可能性が示唆されている。いままでの炎症モデル(脳虚血再灌流や心筋梗塞モデル)では、ADAMTS13は抗炎症作用を発揮していたが、今回の敗血症モデルではADAMTS13は抗炎症というより炎症を増大する作用が認められ、今までの炎症とは逆の結果が出ている。現在はそのメカニズムを明らかにするため、免疫染色などを用い検討中である。またいろいろな炎症パターンでのADAMTS13の影響を観察するため、四塩化炭素をマウスに投与して生じる急性肝障害へのADMATS13の影響を観察中である。
また人の敗血症におけるADAMTS13の影響を観察するため、ADAMTS13値と多臓器不全などの重症度と比較検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

敗血症性マウスモデル(盲腸結紮穿刺による敗血症)を用い、ADAMTS13ノックアウトマウスとワイルドタイプにおいて、予後などを比較検討しているが、ノックアウトマウスの方がワイルドタイプより予後が良く、ADAMTS13が炎症を抑制している可能性が示唆された。この結果は予想に反しているため、同様の実験を繰り返し確認しつつ、そのメカニズムにつき詳細に検討中である。

今後の研究の推進方策

敗血症性マウスモデル(盲腸結紮穿刺による敗血症)を用いた実験において、ADAMTS13ノックアウトマウスの方がワイルドタイプ予後が良かったことは、予想と全く逆であり、同様の実験を繰り返し結果の再確認を行うことと、recombinant ADAMTS13をワイルドタイプに投与し、敗血症の悪化が認められるかも確認していく予定である。
また四塩化炭素による急性肝障害モデルにおける炎症に対するADAMTS13の影響を観察するため、ADAMTS13ノックアウトマウスとワイルドタイプで炎症度合いを比較検討する予定である。

次年度の研究費の使用計画

次年度の研究費はマウスの維持管理費用およびrecombinant ADAMTS13や免疫染色に使用する抗体の購入費用に充てる予定である。また成果の発表のため全米血液学会にて報告する予定であるので、その旅費としても使用したい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Ratio of von Willebrand Factor Propeptide to ADAMTS13 Is Associated With Severity of Sepsis.2013

    • 著者名/発表者名
      Fukushima H, Nishio K, Asai H, Watanabe T, Seki T, Matsui H, Sugimoto M, Matsumoto M, Fujimura Y, Okuchi K.
    • 雑誌名

      Shock

      巻: 39 ページ: 409-414

    • DOI

      10.1097/SHK.0b013e3182908ea7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ADAMTS13 safeguards the myocardium in a mouse model of acute myocardial infarction.2012

    • 著者名/発表者名
      Doi M, Matsui H, Takeda H, Saito Y, Takeda M, Matsunari Y, Nishio K, Shima M, Banno F, Akiyama M, Kokame K, Miyata T, Sugimoto M.
    • 雑誌名

      Thromb Haemost

      巻: 108 ページ: 1236-1238

    • DOI

      10.1160/TH12-09-0674

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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