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2014 年度 実績報告書

敗血症に対するADAMTS13の効果

研究課題

研究課題/領域番号 24592744
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

西尾 健治  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60254489)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードADAMTS13 / von Willebrand factor / 敗血症 / 炎症
研究実績の概要

ADAMTS13ノックアウトマウスおよびワイルドタイプマウスを用いて、盲腸結紮穿刺による腹膜炎敗血症モデル作成を行い、敗血症の程度を比較したところ、ADAMTS13ノックアウトマウスの方が、炎症がより強く敗血症もより重症であろうという予想に反し、ADAMTS13ノックアウトマウスの方が生存率が高く、その解釈をめぐり困惑したため、VWFノックアウトマウスを用い、VWFと腹膜炎敗血症との関係を観察した。
腹膜炎敗血症を誘導したVWFノックアウトでは、ワイルドタイプに比し、低い生存率を示した。また、その生存率低下はVWFの補充により改善した。さらに、VWFノックアウトマウスの抹消血液の好中球数は低下しており、炎症反応の低下を示唆していた。実際、盲腸局所でもVWFノックアウトでは膿瘍形成を認めず、炎症反応の低下を示していた。以上よりVWFは炎症反応の惹起に必須であり、この盲腸結紮穿刺による腹膜炎敗血症モデルにおいては、炎症の惹起がなければより死亡しやすいと考えられた。
以上を総合的に考えると、VWFは炎症増幅に必須であり、いままでの炎症モデル(脳虚血再灌流や心筋梗塞モデル)では、炎症が増幅されることで生体にとって不利になる事象がおこっているので、炎症抑制は生体に有利に働く。つまり、VWF切断酵素ADAMTS13によってVWFの機能を低下させると、抗炎症作用が発揮され、病態が改善していたものと考えられる。
しかしながら、今回の敗血症モデルでは炎症増幅が生体にとって不利ではなく、生体防御反応のひとつとして惹起されていると考えられるので、炎症を増幅するVWFの欠如したVWFノックアウトでは生存率が低下し、局所の炎症反応も低下していたものと考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] von Willebrand Factor-Dependent Inflammatory Responses in Mouse Septic Model by Cecal Ligation and Puncture2014

    • 著者名/発表者名
      Shogo Kasuda, Hideto Matsui, Shiro Ono, Yasunori Matsunari, Kenji Nishio, Midori Shima, Katsuhiko Hatake and Mitsuhiko Sugimoto
    • 学会等名
      2014ASH (American Society of Hematology) meeting
    • 発表場所
      San Francisco, USA
    • 年月日
      2014-12-06 – 2014-12-09

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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