近年の救急医療の救急不応需についての検討を行った。救急不応需は救急医療需要と救急医療供給の不均衡が原因で、その不均衡は都市化が関与し、受療行動の多様化がその原因と考察された。救急医療需要の不適切増加は救急医療サービスの質の低下をきたすことを明確化した。一方、入院を要する救急患者に対応するためには、病床の確保が必要である。医療資源を持つ規模の大きな病院群は予定入院患者で病床を運用するために、救急患者に利用可能な病床に制約があり、これが不応需の原因の一つと考えられた。また、不応需の原因には、救急専門医の応需容量と不応需発生に個人差があることが示された。
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