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2013 年度 実施状況報告書

重度外傷・熱傷患者における免疫学的モニタリングによる臓器不全発症の予知

研究課題

研究課題/領域番号 24592748
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

関根 和彦  慶應義塾大学, 医学部, 客員講師 (90296715)

キーワード外傷 / 熱傷 / 白血球 / 易感染性 / 臓器不全
研究概要

【背景と目的】重度外傷・熱傷患者は、感染症が契機となって多臓器不全で死亡することが多い。われわれは免疫能評価のために白血球表面抗原における網羅的解析(immunophenotyping: IP)の方法を開発し、外傷・熱傷患者における感染症による病態悪化の予測できる可能性を示した。本課題の目的は、熱傷・外傷患者のIPと臓器不全発症との関連性を明らかにすることである。【対象患者】重度の外傷・熱傷により集中治療室での入院加療を要した患者【IP解析法】PEG処理スライドガラスに、解析予定の白血球表面抗原に対する抗体をアレイ状に並べた基盤を作成した。対象患者から採取した赤血球除去白血球液を基板上で incubation後、基板上に微細定常波を作ることができる専用チェンバーを用いて基盤を洗浄処理し、アレイ上に残った白血球を光学顕微鏡下に定量解析した。【アレイに使用した抗体】CD4, CD8, CD11c, CD25, CD16b, CD25, CD36, CD45, CD66b, C-C Chemokine receptor (CCR)2, CCR4, CCR5, CXC chemokine receptor (CXCR)3, CRth2, Toll like receptor (TLR) 2【検討項目】救急搬入された重度外傷・熱傷患者6人から得られた 計14回のデータを解析し,アレイ上に接着した白血球数を評価した。各フェノタイプの発現について、SOFAによる臓器不全の評価との関連性を分析した。【結果と考察】表記フェノタイプの中で、臓器不全を発症した患者において CD25 の低下および CCR5 増加を有意に認めた(p= 0.02, 0.04)。Th1型リンパ球の増加が臓器不全に関連することが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現在までのところ健常人からのIP解析評価はほぼ終了し、対象患者の検体集積を継続している。アレイ分析のための基材作成は米国大学の研究室で行われており、当該研究室において基材作成が一時的(約5ヶ月間)に不可能となったために、当研究室での解析ができなくなった。現在、本問題は解決されており、今後はさらに多施設からの検体集積によりデータ解析を一層進め、研究成果を発表する予定である。

今後の研究の推進方策

対象患者を複数の施設から集積する予定とし、さらなる解析の集積を行う。IP解析により臓器不全に関して有用な phenotypic marker が同定されつつあり、これらを用いて臓器不全の予測に役立てられるかどうかを検討する。

次年度の研究費の使用計画

本年度研究資金の残額が生じたのは、アレイ分析のための基材作成は米国大学の研究室で行われており、当該研究室において基材作成が一時的(約5ヶ月間)に不可能となったために、当研究室での解析ができなくなったことに起因する。現時点において、米国施設での不具合は解消され、以前と同様に基材輸入からアレイ解析までが可能となっている。
残額は解析のための消耗品購入に充て、予定された患者・検体数に追いつくように効率的かつ精力的な検体収集および解析を行う。さらに、研究結果の発表に向けて準備を進め、得られた結果を公表するために、各種学会や研究会での口頭発表や、各種英文学術雑誌での誌上発表を検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 重症救急患者における白血球表面抗原解析による易感染状態と臓器不全の関連性の解明2014

    • 著者名/発表者名
      多村知剛
    • 学会等名
      日本集中治療学会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20140227-20140301

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公開日: 2015-05-28  

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