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2014 年度 実施状況報告書

重度外傷・熱傷患者における免疫学的モニタリングによる臓器不全発症の予知

研究課題

研究課題/領域番号 24592748
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

関根 和彦  慶應義塾大学, 医学部, 客員講師 (90296715)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード外傷 / 熱傷 / 免疫不全 / 易感染性 / 白血球フェノタイプ
研究実績の概要

【背景と目的】本研究の目的は、重度外傷・熱傷後の白血球フェノタイプの変化から感染性合併症による臓器不全が予知できるかを検討することである。
【対象と方法】新たに開発した白血球表面抗原の網羅的簡易解析法(Sekine K, et al. J Immunol Methods 2006 313:96-109)により、重度外傷・熱傷患者16人および健常人5人の末梢血白血球について、以下の白血球フェノタイプを解析した(計36解析)。(CD4/8/11c/16b/25/36/66b/68/123/127/161, Toll Like Receptor(TLR)-2/4, C-Chemokine Receptor(CCR)-2/4/5, CX-Chemokine Receptor(CXCR)-3, CRTh2)
【結果】熱傷患者においては、健常人や外傷患者よりも CCR5 と CXCR3 が低下し(p<0.05)、外傷患者よりも CD68 や CD123 が低下した(p<0.05)。熱傷患者では、感染発症後に CCR5 が増加し(p=0.04)、CD25 が低下した(p=0.02)。
【考察】熱傷患者では、ヘルパーT1(Th1)細胞分画(CCR5, CXCR3)や一部の単球系分画(CD68:ΜΦ,CD123:樹状細胞)が減少するが、感染により Th1 細胞分画(CCR5)の増加と抑制性T細胞(CD25)の減少が見られた。熱傷後の Th1 細胞分画の再上昇は感染合併症およびや臓器不全の発症を示唆し、本法による免疫学的モニタリングは感染や臓器不全の予測に有用となる可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成24年にアレイ基材の供給が一度滞ったことで、データの集積が一定期間行えず、予定していた平成25年度までの国際学会での発表が延期となった。
以上から、当該学会での参加・結果公表のための費用が未使用となった。また病院間の検体搬送は、当初民間運送会社に委ねる予定だったが、解析を含む研究全般のことを考慮し、研究者が直接病院間輸送をおこなったため、輸送費用も未使用となった。

今後の研究の推進方策

データ収集の遅延を取り戻し、予定されたデータ解析を完了させ、国際・国内学会および学会誌上での成果発表に取り組む予定である。

次年度使用額が生じた理由

アレイ基材を作成する米国施設(カルフォルニア大学)で、平成24年と平成26年にアレイ基材の質が悪化し、供給が途絶えた時期が生じた。これにより、データ集積・解析が一定期間滞り、予定された国際・国内学会での口頭発表・誌上発表が延期となり、英文論文作成のための英文校正や投稿費用も未使用となった。検体の病院間移送は、当初業者に委ねる予定であったが、研究全般を通じて研究者同士の直接移送により、移送費用が節約された。

次年度使用額の使用計画

当初予定されていた国際・国内学会での発表のために、必要な症例集積のための追加実験費用(抗体、試薬等)や、口頭・誌上発表を行うための準備費用(旅費、学会参加費、論文作成のための英文校正、論文投稿料等)に使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] パネルディスカッション2 敗血症の病態と治療:新たなる視点と展望: 重度外傷・熱傷患者において白血球フェノタイプの変化から感染合併症が予知できるか?2014

    • 著者名/発表者名
      関根和彦
    • 学会等名
      第42回 日本救急医学会総会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2014-10-28 – 2014-10-30
  • [学会発表] 外科的侵襲による生体反応-サイトカインと臓器障害-2014

    • 著者名/発表者名
      関根和彦
    • 学会等名
      第6回 日本 Acute Care Surgery 学会
    • 発表場所
      青森
    • 年月日
      2014-09-20 – 2014-09-21

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公開日: 2016-05-27  

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