T細胞受容体(TCR)多様性の遺伝子解析を敗血症性ショック患者において経時的に検討した。TCR多様性、リンパ球数は健常人に比し敗血症性ショック患者において1病日にすでに減少を認め、以後全身状態の改善とともに回復傾向を示した。死亡例においては低値で推移した。敗血症性ショック患者では発症早期よりT細胞、単球間における抗原情報受け渡しシステムに障害を来すとともに、TCR多様性にも障害を認めた。リンパ球は数の減少のみならず質的障害も生じていることが明らかになった。Immunoparalysisは敗血症末期の合併症でなく、敗血症発症早期から認められ、重症化の原因である可能性が示唆された。
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