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2013 年度 実施状況報告書

敗血症におけるプロカルシトニンの意義―プロカルシトニン欠損マウスを用いてー

研究課題

研究課題/領域番号 24592757
研究機関大阪河崎リハビリテーション大学

研究代表者

中村 美砂  大阪河崎リハビリテーション大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70285386)

キーワードカルシトニン / 敗血症 / ノックアウトマウス
研究概要

昨年度の結果よりプロカルシトニン(PCT)は敗血症による死亡には大きく影響しないが、敗血症症状を増長する働きのあることが推測された。
そこで、炎症とかかわりの深いIL-6およびurokinase plasminogen activator(uPA)に着目してカルシトニンノックアウトマウス(CTKO)とコントロールの間における血中濃度の比較を行った。リポポリサッカライド(LPS)濃度は0, 10, 20, 35 mg/g体重の4群に設定し、血清のサンプリングは投与後3、6、24時間後に行った。
その結果、IL-6については、LPS投与3時間後で上昇が見られ、特にCTKOでは、コントロールと比較して上昇率は高かった。IL-6の血中濃度は両者とも6時間後まで維持されていたが、24時間後では減少が見られた。しかしながらこの減少率については、CTKOはコントロールと比較して低かった。LPS濃度の違いによるIL-6量の効果については、濃度依存的にIL-6は高く、その傾向はCTKOで特に顕著であった。
一方、uPAに関しては、LPS投与後3時間後では両者とも増加が見られたが、その後減少した。血中濃度については、コントロールとCTKO間で違いは認められなかった。以上の結果より、PCTは、敗血症の際のバイオマーカーであることが言われているIL-6の産生を抑制している可能性が推測された。
今後は、PCTとその他の炎症性サイトカインとの関係、およびPCTがIL-6産生を抑制するメカニズムについて調べていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度は、マウスの繁殖率が低かったことから、当初計画より遅れていたが、ケージ内に出産、育児用のスペースを設置することで、出産率および育児率が向上し、おおむね当初計画の進度となっている。

今後の研究の推進方策

① PCTとその他の炎症性サイトカイン(IL-8, TNFなど)との関係について明らかにする。
② in vitroにおいてPCTがIL-6の産生を抑制するメカニズムを明らかにする。

次年度の研究費の使用計画

当初予定していた培養実験のためのセットアップが若干遅れた(平成24年度報告)ため、次年度使用額が生じた。
現在、セットアップは良好であるため、次年度使用額(387,371円)は、当初の計画どおり、培養系の実験にあてる。次年度の全体の使用計画は以下のとおりで進める。
【物品費】①生化学用試薬(サイトカインのELIZAなど)として②培養に係る試薬、器具(培地やシャーレなど)として【人件費】③実験助手に係る人件費として

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Procalcitonin : Mysterious protein in sepsis2013

    • 著者名/発表者名
      Misa Nakamura, Ryohei Kono, Sachiko Nomura, Hirotoshi Utsunomiya
    • 雑誌名

      Journal of Basic and Clinical Medicine

      巻: 2 ページ: 7-11

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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