研究課題/領域番号 |
24592759
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研究機関 | 独立行政法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
野々木 宏 独立行政法人国立循環器病研究センター, 病院, 客員部長 (00443507)
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研究分担者 |
田村 正徳 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (50143459)
相引 眞幸 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70148162)
永山 正雄 国際医療福祉大学, 大学病院, 教授 (80208058)
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キーワード | 国際蘇生連絡委員会 |
研究概要 |
国際的に標準化された国内ガイドライン作成の科学的な方法の確立を行うため下記の研究を実施した。 1.国際標準化:国際連携による標準化を目指し、ILCOR(国際組成連絡委員会)における国際コンセンサスと勧告作成に参加した。 (平成25年4月20-22日メルメルボルン、11月5日ダラス)国際的なエビデンスの集約方法とその科学的な評価法としてGRADE(Grades of Recommendation Assessment、Development and Evalution)使用が決定された。これにより、エビデンス評価や勧告に透明性と客観性が得られるため、我が国における救急蘇生ガイドライン作成にGRADEを使用する方法を検討した。 2.エビデンスの収集方法:各領域における課題がPICO(Patients,Intervenstion,Comparison,Outcome)形式で提示され、検索式と評価方法が確立された。 3.エビデンスの科学的な評価法:GRADEでは、アウトカムごとの複数のエビデンスをコクランレビューなどの方法に基づいてシステマティックレビューを行い、診療の勧告をする。GRADEにおける推奨の作成方法、診療ガイドラインでのエビデンスの質と推奨の強さの決定方法について、国際電話会議やWebでの資料収集、ILCOR会議により、意見交換を行った。我が国におけるコクランレビュー作成日本グループやGRADEワークショップ、MINDSと交流を図り、国内ガイドライン(日本蘇生協議会)においてGRADE導入を決定した。推進検討会や周知のための講演会を実施し、意見交換や参照情報の収集を行った。(日本蘇生科学シンポジウム)。具体的には、文献検索Strategyの作成、文献評価とメタ分析方法(コクランレビューにおけるReviewManager、GRADEにおける評価テーブル作成方法(GRADE Profileの使用方法を確立し、勧告方法につて情報を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国際ガイドラインにおいてGRADE採用が増加しているが、国内ガイドライン作成において、ほとんど使用されていない。今後の国際共同によりガイドライン作成において、国内でのGRADE使用方法を確立することは大きな意義があると考えられる。そのため、国際蘇生連絡委員会(ILCOR)との連携が進み、国内の救急蘇生領域においてGRADE採用によるガイドライン作成を決定し、その進展方法を本年準備し得たことは、他領域へのガイドライン作成にも大きな貢献ができるものと考えられ、研究として順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2年間で準備したGRADEシステムについての実践として、ILCOR会議における各Task-Force(BLS、ALS、ACS、小児、新生児、EIT)、特に研究者が参加しているALS(二次救命処置)、ACS(急性冠症候群)、新生児でのGRADE使用による勧告作成を行う。それにより、ガイドライン作成におけるGRADE適用の実際に習熟し、国内、さらにはアジア蘇生協議会におけるガイドライン作成に反映する。国内ガイドライン作成において、2010年ガイドラインの勧告を、今回の2015年ガイドライン勧告を統合する方法を検討し、国内における国際標準となるGRADE適用の確立を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は、ソフトやシステムをILCOR から無償で使用し得たため残金が生じたので、次年度の費用に充てる。 国際標準化のための連携とGRADE適用の勧告について報告(ILCOR会議シカゴ、ダラス、アジア蘇生協議会台北に出席) 国内ガイドライン作成担当者への講習会開催 エビデンス解析のため統計・文献解析ソフト作業賃金
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