研究課題/領域番号 |
24592763
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐藤 淳 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (70335660)
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研究分担者 |
阿部 真土 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (40448105)
岸野 万伸 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (60346161)
宇佐美 悠 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (80444579)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | Fibrous dysplasia |
研究概要 |
平成24年度における研究実施計画では、主にfibrous dysplasia発症トランスジェニックマウスの作製を目的とした研究内容を計画していた。当初は、この研究計画の遂行のために、マウス大腿骨組織からRNAの抽出を行い、正常GNAS1遺伝子の翻訳産物であるGsα cDNAを作製し、さらにこれを用いて変異GNAS1遺伝子の作製を行うことを計画していた。この研究計画に従って実験を進めていたが、最終的にヒトにおいて発生するfybrous dysplasiaとするために、用いるGNAS1遺伝子をマウスからヒトへと変更し、ヒトGNAS1遺伝子を遺伝子バンクより購入し、これを用いて遺伝子変異体を作製した。GNAS1変異遺伝子は、ヒトのfybrous dysplasiaで多く報告がなされている二つの変異体を作製した。一つは201番目のコドンのCGTにTGTの変異を起こし、アルギニンをシステインに変異させたもの(R201C変異体)で、もう一つは、同じく201番目のコドンCGTにCATの変異を起こし、アルギニンをヒスチジンに変異させたもの(R201H)を作製した。さらにこの作製した変異GNAS1遺伝子がトランスジェニックマウスにおいて、骨芽細胞特異的に発現するように、タイプIコラーゲンプロモーターの下流への組換えを行った。この作製した2種類のGNA1変異遺伝子のうち、トランスジェニックマウスの作製にはアルギニンをシステインに変異させたR201C変異体を用いてトランスジェニックマウスの作製を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の平成24年度の研究実施計画では、fibrous dysplasiaトランスジェニックマウスの作製とともにその病態の初期解析を行うことを計画していたが、用いる遺伝子をマウスからヒトへと変更したことに加え、変異体を2種類作製したことから、病態の初期解析という段階にはまだ至っていない。しかしながら、トランスジェニックマウスのF0世代は、生まれて発育しており、今後F1世代への交配とともにすみやかに病態の初期解析を実施することが可能と考えられ、研究目的の達成度としては順調に研究が進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、GNAS1変異遺伝子導入トランスジェニックマウスのF0世代の飼育とF1世代のための交配を行い、F1産仔での初期病態の解析を病理組織学的および分子生物学的に行う予定である。さらにマウスに発生した病態を、実際のヒトfibrous dysplasiaの病態を比較検討し作製したトランスジェニックマウスの評価を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
トランスジェニックマウスの飼育・維持にかかる費用と発症した病態の病理組織学的および分子生物学的解析のための消耗品の購入を計画している。
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