研究課題/領域番号 |
24592764
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
寺山 隆司 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (60333689)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 神経損傷 / 痛覚異常 / グリア細胞 / ニューロン / 三叉神経知覚核群 |
研究概要 |
本研究では末梢神経損傷によって起こる痛覚異常に中枢神経系でのニューロンの興奮性の変化やグリア細胞の活性化がどのように関与しているのかを検討している。その中で本年度は、末梢神経損傷後に起こるニューロンの興奮性の変化を三叉神経系と脊髄神経系で検討した。三叉神経系を用いた実験では、損傷した神経を刺激する場合と損傷した神経に近接する神経を刺激する場合でそれぞれ異なる様式の興奮性の変化が中枢2次ニューロンで起こっていることが明らかとなった。すなわち損傷した神経では低閾値電気刺激に対する過剰な興奮が吻側亜核で認められ、損傷した神経に近接する神経では高閾値電気刺激に対する過剰な興奮が尾側亜核で認められた。また、尾側亜核における興奮性の変化には神経損傷によって支配領域を失った神経の中枢投射部位での収斂投射が関与していることが明らかとなった。脊髄神経系を用いた実験では、末梢神経損傷による中枢2次ニューロンの過剰興奮に対するアデノシンA1受容体アゴニスト2-chloro-N(6)-cyclopentyladenosine (CCPA)の末梢投与の効果を検討したところ、CCPAが損傷を受けた周囲の神経の異常な興奮伝達を抑制することで中枢2次ニューロンの過剰興奮が抑制される結果が得られた。なお、これらの研究成果は第35回日本神経科学大会および日本解剖学会第67回中国・四国支部学術集会において発表するとともに学術雑誌 Experimental Brain Research に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、末梢神経損傷によって起こる中枢神経系でのニューロンの興奮性の変化に加えグリア細胞の活性化の検討まで行う予定であったが、十分に達成できたとは言いきれない。その理由は、収斂投射に関する研究を学術雑誌に投稿したところ、口腔内への侵害刺激に問題があることが指摘され、これを変更し再度実験を行うのに時間を要しているためである。
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今後の研究の推進方策 |
上記のように口腔内への侵害刺激として当初ホルマリン注射を行っていたが、その代わりにカプサイシンの口腔内塗布を行い、収斂投射の実験を行っている。これらの実験結果を踏まえ、グリア細胞の活性化がニューロンの興奮性の変化および痛覚異常にどのように関与しているのかを早急に検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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