研究課題/領域番号 |
24592766
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
玉村 亮 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (00403494)
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研究分担者 |
長塚 仁 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70237535)
辻極 秀次 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70335628)
片瀬 直樹 川崎医科大学, 医学部, 助教 (30566071)
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キーワード | 口腔癌 / 癌抑制遺伝子 / 扁平上皮癌 |
研究概要 |
我々はこれまでの研究において口腔扁平上皮癌における網羅的なLOH検索から染色体1p36領域に重要な癌抑制遺伝子が存在する可能性を明らかにした。さらに詳細な解析を行った結果、本染色体領域に複数の癌抑制遺伝子候補を同定した。本研究では同定された候補遺伝子において最も高頻度にLOHを認めた領域に存在するRIZ遺伝子に焦点を絞り、機能解析を行う。本研究により得られる知見は口腔癌発生メカニズムの解明の一助となるとともに、臨床応用に繋がるものとなり得る。 本年度は新規癌抑制候補遺伝子であるRIZ遺伝子がコードするRIZ1蛋白の発現について検討を行った。岡山大学病院病理部で取り扱った口腔扁平上皮癌40例について、RIZ1に対する抗体を用いて免疫組織化学的染色を行った。その結果、40例中32例において蛋白の発現を認めた。蛋白の局在は癌細胞の核に認められ、特に胞巣周辺部の癌細胞に強い局在を示した。本結果からは、RIZ1蛋白が口腔扁平上皮癌の発生や進展に関与する可能性が示唆された。 今後は、蛋白発現と臨床データとの相関について詳細な解析を行うとともに、前癌病変(上皮異形成や上皮内癌)についても免疫組織化学的解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に記載した順序と異なるが実施計画に基づいた研究が進行している。
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今後の研究の推進方策 |
口腔扁平上皮癌におけるRIZ1蛋白発現と臨床病理組織学的解析を行っていく。 1)口腔扁平上皮癌および前癌病変でのRIZ1蛋白発現を免疫組織化学的に検索する。 2)蛋白発現と臨床データとを比較し、その相関について解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
代表者の研究機関の異動により、当初の研究計画から順序を変更する必要性が生じた。 そのため次年度使用額が発生した。 設備・備品の申請はない。消耗品に関しては免疫組織化学に関する試薬等が必要であり、旅費に関しては、硬組織再生生物学会(千葉-台湾)と歯科基礎医学会(千葉-福岡)へ研究成果発表および情報収集を目的として参加する。 尚、次年度使用額については、研究分担者との研究打合せ(千葉-岡山)および機器・試薬等消耗品に充当する予定である。
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