研究課題/領域番号 |
24592766
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
玉村 亮 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (00403494)
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研究分担者 |
長塚 仁 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70237535)
辻極 秀次 岡山理科大学, 理学部, 教授 (70335628)
片瀬 直樹 川崎医科大学, 医学部, 助教 (30566071)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 口腔癌 / 癌抑制遺伝子 / 扁平上皮癌 / RIZ |
研究実績の概要 |
我々はこれまでの研究において口腔扁平上皮癌のLOH解析により1p36領域に複数の癌抑制遺伝子候補を同定している。本研究では最も高頻度にLOHを認めた領域に存在するRIZ遺伝子に焦点を絞り、機能解析を行うことを目的としている。本研究により得られる知見は口腔癌発生メカニズムの解明の一助となるとともに、臨床応用に繋がる。 本年度は口腔前癌病変におけるRIZ1蛋白の発現について検討を行った。岡山大学病院病理部で取り扱った前癌病変40例(軽度異形成10例、中等度異形成10例、高度異形成10例および上皮内癌10例)について、RIZ1に対する抗体を用いて免疫組織化学的染色を行った。その結果、40例中35例(軽度異形成9例、中等度異形成8例、高度異形成8例および上皮内癌10例)において蛋白の発現を認めた。蛋白の局在は基底層~有棘層の細胞の核に認められ、特に高度異形成や上皮内癌では全層に渡って強い局在を示す症例が数例認められた。本結果からは、RIZ1蛋白が口腔扁平上皮癌の癌化過程、特に癌化の後期に関与する可能性が示唆された。 今後は症例数の追加とともにより詳細な解析を加えて臨床データとの比較を行うとともに、他の癌抑制遺伝子候補についても病理組織学的に検討を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書に記載した実験計画と順序は異なるが、計画に基づいた研究が進行している。
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今後の研究の推進方策 |
病理組織学的検索を進めて行く。 扁平上皮癌および前癌病変に対するRIZ蛋白の免疫組織化学的検索をさらに追加し、臨床データとの相関について解析する。 また、1p36領域に存在する他の癌抑制遺伝子候補についても免疫組織化学的検索を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
代表者の研究機関の異動により、当初の研究計画から順序を変更する必要が生じている。 そのため、次年度使用額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
設備・備品の申請はない。消耗品に関しては免疫組織化学に関する試薬等が必要である。旅費に関しては、歯科基礎医学会(千葉ー新潟)に研究成果発表を目的として参加する。 次年度使用額に関しては、RIZとは異なる癌抑制遺伝子候補について蛋白発現の免疫組織化学的検索に必要な試薬等の消耗品および研究分担者との打合せ(千葉ー岡山)に充当する予定である。
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