研究課題/領域番号 |
24592778
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
石原 和幸 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00212910)
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研究分担者 |
菊池 有一郎 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (30410418)
国分 栄仁 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (70453785)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | Polymicrobial infection / Biofilm / Periodontal disease / Quorum sensing |
研究概要 |
バイオフィルム中における歯周病原性菌種間の相互作用は、歯周炎発症に重要な役割を果たしている。本研究では、バイオフィルム形成における特定細菌間の相互作用とそれに関わる分子の解析を目的とし、根尖先生歯周炎病巣から高頻度で検出されるParvimonas micraのバイオフィルム形成時の他菌種との相互作用について解析した。 共凝集の測定は、Cisarらの方法により、混合培養時のプランクトニックセルの増殖はOD660により、バイオフィルム形性はクリスタルバイオレットよる染色により測定した。 さらにTwo comportment systemを用い、0.2 μmの膜を介して共培養し、プランクトニックセルの増殖と、バイオフィルムの形成について比較した。 F. nucleatum, P. gingivalis, C. ochracea, は、P. micraとの間に共凝集能が認められた。混合培養では、P. ginigvalisとの組合せでプランクトニックセル増殖が著明で、バイオフィルム形成ではF. nucleatumとの組み合わせが高くなっていた。Two comportment systemでは、F. nucleatum, P. gingivalis, C. ochraceaによりP. micraのプランクトニックセル増殖が促進され、バイオフィルムは、F. nucleatumまたはC. ochraceaによって増加していた。これらから、F. nucleatumと C. ochracea から遊離される可溶性物質がP. micraのバイオフィルム形成を促進することが明らかになった。さらにF. nucleatumとP. micraとの間においてはバイオフィルム形成の相乗作用が認められ、これらがP. micraが根尖部に定着するプロセスにおいて重要な役割を果たすことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
科研費の申請前に解析を行っていたFusobacterium nucleatum, P. gingivalis, Treponema denticola, Tannerella forsythia等の慢性歯周炎の菌種間での相互作用に加えて、根尖性歯周炎の病因の1つと考えられているPravimonas micraとF. nuckleatumとの間の関係を明らかにすることができた。さらに慢性歯周炎の菌種間での細菌の動態についても結果が得られている。 これらの結果から、F. nucleatumは、実験開始時の予想と一致して慢性歯周炎、根尖性歯周組織炎どちらの菌叢においてもバイオフィルム形成に重要な役割を果たす関わることを明らかにできた。
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今後の研究の推進方策 |
Fusobacterium nucleatum, P. gingivalis, Treponema denticola, Tannerella forsythia等の慢性歯周炎の菌種間での相互作用と、根尖性歯周炎の病因の1つと考えられているPravimonas micraとF. nuckleatumとの相互作用が認められたという結果を受け、それぞれの菌種の組合せについて2次元電気泳動、DNA arrayで相互作用に伴って起こる菌の動態を解析し、病原性因子の変化を明らかにすると共に、その相互作用に関わる分子の同定を試みていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当無し
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