研究課題
研究目的歯周炎局所では、"Red complex"と呼ばれる菌群、Treponema denticola、Tannerella forsythia、Porphyromonas gingivalisの3菌種が共に高頻度で検出され、歯周炎の発症と進行に重要な役割を果たしている。これらの細菌によるpolymicrobial biofilm形成には細菌同士の付着である共凝集が重要な役割を果たしている。本研究では、T. denticolaとT. forsythiaの間での共凝集のメカニズムの解明を目的とした。研究方法共凝集は、Cisarらによる視覚的判定法とOD660による判定法を用いて評価した。供試菌株として、T. forsythia ATCC 43037, T. denticola ATCC 35405、33520、33521, K1を用いた。表層プロテアーゼ(dentilisin)および, major outer sheath protein (Msp)の共凝集への関与の解析のため、T. denticola ATCC 33520からdentilisin欠損株KpSano7、T. denticola ATCC 35405株からmsp欠損株DMSP3を作成した。研究成績および考察T. denticola ATCC35405と、T. forsythia間の共凝集は、T. denticolaの熱処理によって失われ、T. denticolaのリガンドがタンパク質であることが示唆された。T. denticolaの野生株3株で共凝集のレベルを比較すると、その程度はdentilisin活性と比例し上昇していた。Dentilisinの欠損株K1、KpSano7は、T. forsythiaと共凝集を起こさなかった。これらの結果から、dentilisinの共凝集への関与が示唆された。T. denticolaをPMSF処理しても、凝集に変化は認められなかった。Mspの欠損株DMSP3は、野生株と同程度の凝集活性を示した。これらの結果から、dentilisinは直接共凝集に関わるのではなく、表層タンパクの成熟により共凝集に関与していると考えられた。
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