研究課題
基盤研究(C)
抗La自己抗体を検出するために、SSB/La蛋白、EBER RNA発現プラスミドを作成した。マウスSSB/La蛋白発現プラスミドはマウスの唾液腺組織由来RNAよりcDNAを合成し、PCR法で増幅した後、PCR産物をTベクターであるpGEM-T Easy vectorに組み込み、シークエンスを確認した。シークエンスでアミノ酸配列が合致したクローンからORFを切り出し、GST融合蛋白を発現させるためにpGEX-2Tプラスミドに組み換えた。ヒトSSB/Laについてはヒト唾液腺上皮細胞株であるHSY細胞からRNAを抽出し同様にGST融合蛋白発現ベクターを得た。それぞれのベクターを大腸菌に形質転換させたのち、大量培養しIPTGで蛋白発現を誘導させたあと、GST融合マウスSSB/la 蛋白ならびにGST融合ヒトSSB/La蛋白を得た。これらの蛋白を96ウェルプレートに固相化し、ELISAの系を立ち上げた。両者の測定感度は0.004~0.4μg/ml程度であった。また、マウスに免疫するためのEBERの発現プラスミドも作成を試みた。EBウイルス感染細胞のAkata細胞からRNAを抽出し、cDNA を合成後PCR法にてEBER1およびEBER2に特異的なプライマーを用いて増幅し、pGEM-Teasy vectorに組み込み、ORFを切り出してレンチウイルスベクターのRNAi-Ready pSIREN-Shutttleに組み込んだ。このレンチウイルスベクターを3T3細胞に遺伝子導入し、EBERレンチウイルスを得た。
3: やや遅れている
SSB/La蛋白発現プラスミドの作成ならびにELISAの立ち上げは到達できた。EBER発現プラスミドの作成も完了し、プラスミド作成についてはほぼ達成できたものと考える。しかしながら、EBウイルス感染細胞から抽出した核抽出液を免疫したマウスにおいて、EBウイルス陰性の核抽出液と比較した場合に、EBウイルス特異的な反応が得られておらず、この点に関しては平成25年度に引き続き検討する必要があり、この点に関して、やや遅れている状況である。
平成24年度に作成した、La/SSBおよびEBER発現プラスミドの確認を行い、それぞれのプラスミドからのタンパク、RNAの発現を確認する。mLa-pCIneoあるいはhLa-pCIneoをEBER-RNAi-Ready pSIREN-ShuttleとHela細胞に遺伝子導入し、48時間後に核蛋白質を抽出する。La蛋白にはHAタグが連結されているので、抗HA抗体を用いて免疫沈降したあと、溶出用のHAペプチドを用いて、La-EBER複合体を精製、分離し、マウスに投与するまで、-80℃で保存しておく。pGEX-2Tに組み込んだLaは大腸菌BL21内に形質転換し、IPTGの存在下で6時間培養し蛋白合成を誘導する。発現されたGST融合蛋白Laはglutathionビーズで精製する。また、pCMV-TnTに組み込んだEBERはin vitro 転写キットを用いて転写させ精製する。
次年度使用額220,740円は、EBERの転写、精製のために使用する。次年度はマウスへの免疫に利用するEBER、La-EBER複合体を分離精製するための試薬、物品を購入し、研究分担者および研究協力者の協力を得て計画を遂行する。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)
Mod Rheumatol
巻: 23 ページ: 219-225
10.1007/s10165-012-0812-9
J Immunol.
巻: 188 ページ: 4654-4662.
jimmunol.1101575 [pii] 10.4049/jimmunol.1101575
Stem Cells.
巻: 30 ページ: 1925-1937
10.1002/stem.1173
Biochimie.
巻: 94 ページ: 839-846
S0300-9084(11)00455-X [pii] 10.1016/j.biochi.2011.12.001