研究課題/領域番号 |
24592789
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
永山 元彦 朝日大学, 歯学部, 准教授 (50298436)
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研究分担者 |
田中 政巳 会津大学短期大学部, その他部局等, 教授 (00171801)
渡辺 実 聖マリアンナ医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10191800)
田沼 順一 朝日大学, 歯学部, 教授 (20305139)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 軟骨内骨化 |
研究概要 |
自然発症型の軟骨石灰化が不全なラットの頭蓋底の軟骨結合や顎 関節頭軟骨にみられる軟骨内骨化と成長ならびにその石灰化機序の解明を中心に、 (1)軟骨石灰化不全ラットの原因遺伝子の解明。 (2)軟骨石灰化不全ラットの病態の形態学的•分子生物学的検索。 (3)ヒトにおける発育異常との関連を探る。以上の研究の目的を立て、平成24年度は、(1)軟骨石灰化不全(CCI)ラットの原因遺伝子の解明、ならびに(2)CCI ラットの病態の形態学的•分子生物学的検索を進めた。CCI ラットの遺伝型と表現型の確認では、CCIラットは生後1週弱で表現的に身長、頭部に低形成性の形態異常を示しだし、時間の経緯とともにその症状は酷く、6ヶ月では扁平な頭部、脊椎の湾曲、尾の不定形、四肢の偽関節化を示した。次に連鎖解析による原因遺伝子の限定と遺伝子地図作成を作成すべく、CCIラットの組織抽出DNAをマイクロサテライトプライマーによるPCR解析で多形性を検出したところ、多くのプライマーで多形性を示すバンドの検出頻度が高かった。しかし、SDラットでもその傾向がみられた。 続いて、交配、繁殖中に得られた CCI ラットを胎生中、生後~4ヶ月齢までの各時期における軟骨性成 長の様子を同腹の Wild type の SD ラットと形態学的、分子生物学的に比較したところ、 マイクロCTによるエックス線的検索では、すでに石灰化した骨は正常な骨密度を示したが、下顎頭や頭蓋底では軟骨性骨化による成長が悪く、下顎頭軟骨や軟骨結合部の軟骨細胞の分化と成熟が遅れていた。これは軟骨細胞層の 静止層が広く維持されていることが原因であることが組織学的にも証明できた。軟骨内骨化を示す場合にもそのバランスが悪く、長期経過した場合の頭蓋底軟骨結合では、前方の蝶形骨内軟骨結合と後方の蝶形後頭軟骨結合で異常がみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
遺伝子的検索では、マイクロサテライトプライマーによる染色体マッピングを行っているが、これには時間がかかるため、組織抽出cDNAマイクロアレイによる網羅的検索も必要である。形態的には軟骨基質を染める、サフラニン・ファストグリーンやアルシアン青によるルーチンの染色で、軟骨内骨化を示す静止層軟骨の過剰な肥大と残存がみられたが、これの病態生理を説明できるのは分子生物学的な特定が必須となる。
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今後の研究の推進方策 |
分子生物学的検索による原因遺伝子の解明を中心に、形態的な所見への反映をする予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
これまでの染色体マッピングに加えて、cDNAマイクロアレイによる網羅的異常遺伝子検索の必要が生じたため、費用をこれに充てる。
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