研究課題/領域番号 |
24592792
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研究機関 | 独立行政法人医薬基盤研究所 |
研究代表者 |
菅 三佳 (岸本 三佳) 独立行政法人医薬基盤研究所, 難病・疾患資源研究部, 研究員 (00340448)
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研究分担者 |
金 美海 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30506449)
古江 美保 独立行政法人医薬基盤研究所, 難病・疾患資源研究部, その他 (80257310)
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キーワード | 末梢神経 / 神経堤 / ヒトiPS細胞 |
研究概要 |
無血清・無フィーダー・単相培養下における増殖因子、細胞外マトリックス、低分子化合物ライブラリーの効果をスクリーニングし、ヒトiPS細胞由来神経堤細胞から末梢神経への分化への影響を検討することを目的とし、研究を遂行した。 平成24年度にはまず、無血清・無フィーダー・単相培養下におけるヒトiPS細胞及びヒトES細胞から神経幹細胞、神経堤・末梢神経への分化誘導に適した培養面の条件、および増殖因子の条件を明らかにした。次に、複数のヒトiPS細胞(201B7、iPS-TIG114-4f1、及びTic)及びヒトES細胞(H9、Shef3、及びShef6)の中から、増殖因子、細胞外マトリックス、低分子化合物ライブラリーの効果をスクリーニングし、末梢神経への分化への影響を検討するために適した株を選択した。 2011年にMenendezらは無血清・無フィーダー・単相培養下にてヒトES細胞から神経堤幹細胞を分化誘導する方法を報告した。平成25年度には、同方法による誘導神経堤幹細胞を対照として、平成24年度に検討を行った条件による分化誘導方法による誘導細胞の遺伝子発現解析をおこない、比較検討をおこなったところ、誘導時に添加する増殖因子の条件により様々なタイプの神経堤細胞集団が形成され、これらの神経堤細胞集団はMenendezらの方法により誘導される神経堤幹細胞とは異なるものであることが明らかとなった。 平成26年度には、神経堤細胞から末梢神経への誘導に効果のある増殖因子、細胞外マトリックス、及び低分子化合物の条件について検討を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度にはヒトES細胞のみを用いて検討を進めたため、ヒトiPS細胞を用いた検討が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
(i)これまでに検討した無血清・無フィーダー・単相培養下のヒトiPS細胞及びヒトES細胞から神経堤細胞を誘導する条件を用いて、神経堤細胞集団を得て、高効率に末梢神経へと分化誘導させるために必要な分化誘導因子を同定するための検討を進める。 (ii)引き続きグルコース提示型デンドリマー培養面の開発及び作製をおこなう。 (iii)グルコース提示型デンドリマー培養面を用いて、末梢神経への分化における増殖因子及び低分子化合物の細胞内シグナルカスケードへの影響について検討をおこなう。
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