低フォスファターゼ症(HPP)は組織非特異型アルカリフォスファターゼ(TNSALP)遺伝子上の様々な突然変異に起因する先天性の代謝異常症で、骨や歯の広範囲な低石灰化を伴う。申請者は突然変異がTNSALP分子に及ぼす影響を分子レベルや細胞レベルで解析を行った。検討したミスセンス突然変異:TNSALP(C201Y)、TNSALP(C489S)、TNSALP(G420S)、TNSALP(N417S)、TNSALP (P108L)、TNSALP(N430S)。その結果、それぞれの変異による劣性あるいは優性遺伝するHPPの発症メカニズムを明らかにするとともに、本酵素の生理学的な重要性を示した。
|