研究課題
われわれが発見したmonadの結合蛋白の解析から新たにR2TP複合体(RPAP3、PIH1D1などからなる)を発見し、R2TP複合体の研究を精力的に行っている途中である。R2TP複合体に関する総説の執筆を依頼され、発表の予定である。R2TP complexは、Rvb1-Rvb2-Pih1-Tah1という4つの異なるタンパク質で形成されるタンパク質複合体で、酵母からヒトまで広く保存されている。Rvb1-Rvb2 (Pontin-Reptin)のヘテロ6量体からなるリングと、Pih1 (PIH1D1)-Tah1 (RPAP3)から成るタンパク質複合体で、ヒートショックシャペロンタンパク質Hsp90と相互作用する因子として単離されてきた。今年度は、とくにMonadの結合蛋白であるRPAP3、PIH1D1について解析を行った。RPAP3については、そのアイソフォームの存在を報告し、PIH1D1については正常乳腺細胞と種々の乳がん細胞の発現の比較を行い、乳がん細胞でPIH1D1が高発現していることを明らかにした。またmTORに及ばすPIH1D1の作用を解析しPIH1D1がmTORを正に調節することでリボソーム合成を促進していることを明らかにし、このことがPIH1D1が癌化に及ばす可能性を報告した。また、Monadの乳がん転移に及ばす影響についてプレスリリースを行い、多くの報道を受けた。
2: おおむね順調に進展している
当初の目的のうちMonadの結合蛋白の解析については論文の発表に至った。
おおむね順調に進展しており、当初の計画を推進する。
計画が順調に進行したため、当初の予想を超えて凍結サンプルの量が増加したため、冷凍庫の購入を計画したが、代表者が研究機関を移動することになり、異動後の購入を決めたため。凍結サンプルの保存用に冷凍庫を購入する。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
PloS one
巻: 8, ページ: e67326.
10.1371/journal.pone.0067326
FEBS letters
巻: 587 ページ: 3303-3308
10.1016/j.febslet.2013.09.001