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2013 年度 実施状況報告書

新規な骨芽細胞転写因子のCre-loxP系を応用した発現細胞系列の解析

研究課題

研究課題/領域番号 24592796
研究機関大阪大学

研究代表者

河合 伸治  大阪大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (40362678)

研究分担者 天野 敦雄  大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (50193024)
キーワード転写因子 / 骨芽細胞
研究概要

我々が解析を進めている遺伝子Odd-skipped related 2(Osr2)は、骨の形成、歯の発生、関節の滑膜形成に重要な役割を果たす転写因子である。Osr2 の生体での役割は次第に判明してきているが、未だ解決されていない問題も多い。そのひとつに、Osr2 を発現する細胞が、骨を作る骨芽細胞や歯を作る象牙芽細胞、関節を作る滑膜細胞とどのような関係にあるのかと言う疑問がある。本研究課題では、Cre-loxP 系とジフテリア毒素を利用したOsr2 を発現する細胞のみを破壊する手法を用いて、マウス発生過程でOsr2 を発現する。細胞が欠損した場合、マウスの形態にどのような変化が現れるかを観察する。Osr2遺伝子は、骨や歯、関節の個体発生の過程で重要な役割を持っており、転写因子であるOsr2を発現する細胞は、骨や歯周組織、関節を形成するために重要な細胞系列である事が推察される。この疑問を検証する方法として、組織特異的細胞破壊システムが開発されている。手法的には、ユビキタスに発現するプロモーター制御下で、neo遺伝子をloxP配列で挟んでおき、その下流にジフテリア毒素遺伝子を配置する。DNA組換え酵素Creが働いたときにだけ、ジフテリア毒素遺伝子が転写されるようにしたトランスジェニックマウスを作製する。ジフテリア毒素は細胞の蛋白合成を停止させ、細胞を致死させる。Creがない場合は、neo遺伝子が発現し、ジフテリア毒素は発現しない。Osr2発現細胞系列のみを破壊するのため、Osr2のプロモーターの制御下に、Creを発現するようにしたトランスジェニックマウスを作製する。
Osr2プロモーターにCreを連結したトランスジェニックマウスのラインが作製完了し、ジフテリア毒素を利用したloxPマウスと交配を行ない、解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定通り、Osr2プロモーターにCreを連結したトランスジェニックマウスの系統の作製が完了した。ユビキタスに発現するプロモーター制御下で、neo遺伝子をloxP配列で挟んだ遺伝子と、その下流にジフテリア毒素遺伝子を配置したトランスジェニックマウスは、理研より購入し、系統の維持を行なっている。現在、これらの2系統のマウスの交配を行ない、解析を行なっている。

今後の研究の推進方策

出生後3週齢のトランスジェニックマウスの骨格をソフトX線により観察し、野生型と比較する。特に長管骨におけるX線像を検討し、大きさや透過性に関して評価する。大きさに相違が見られる場合は、経時的な体重変化を観察する。出生直後のトランスジェニック
マウスと野生型マウスの軟組織を除去後、アルシアン・ブルーおよびアリザリン・レッドにて染色することにより骨格標本を作製し、骨化や軟骨化が低下するかどうかを比較検討する。マイクロCT(高分解能マイクロフォーカスX線CTスキャナー)により2次元多層撮影
し、骨構造を解析する。DXA(Dual Energy X-ray Absorptiometry)により骨密度を測定する。生後14日齢のマウスに15mg/kgのテトラサイクリンを腹腔内投与し、5日後2回目のテトラサイクリン投与を行う。更に2日後にマウスを解剖し、脛骨、椎骨、頭蓋骨を採
取し、切片を作製後、骨芽細胞機能(骨形成)について情報を得る。同一の標本を用いて、海綿骨量、骨梁幅、骨梁数などの骨構造に関するパラメータ、類骨面、骨芽細胞面、骨石灰化面、石灰化速度など骨形成に関するパラメータ、骨吸収面、破骨細胞数などの骨吸収に関するパラメータを計測する。

次年度の研究費の使用計画

研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。
マウスの系統維持のため、飼料や床敷、ケージなどを購入する。外観観察のための染色剤やX線フィルムを購入する。DXA観察は外部の機関に依頼する。骨形態計測に必要な試薬類を購入する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Expression pattern of zinc-finger transcription factor Odd-skipped related 2 in murine development and neonatal stage2013

    • 著者名/発表者名
      Shinji Kawai, Ikumi Michikami, Jirouta Kitagaki, Ei Hashino, Atsuo Amano
    • 雑誌名

      Gene Expression Patterns

      巻: 13 ページ: 372-376

    • DOI

      10.1016/j.gep.2013.06.007

    • 査読あり
  • [学会発表] Odd-skipped related 2 regulates Wnt signaling pathway through Dkk12013

    • 著者名/発表者名
      Kawai S, Amano A
    • 学会等名
      The 35th Annual Meeting of the American Society for Bone and Mineral Research
    • 発表場所
      Baltimore, MD
    • 年月日
      20131004-20131007
  • [学会発表] Odd-skipped related 2によるDkk1を介したWntシグナル伝達経路の制御2013

    • 著者名/発表者名
      河合伸治
    • 学会等名
      第31回 日本骨代謝学会学術集会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20130528-20130601

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公開日: 2015-05-28  

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