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2014 年度 実施状況報告書

新規細胞内輸送調節分子を介した疼痛制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24592798
研究機関武庫川女子大学

研究代表者

北山 友也  武庫川女子大学, 薬学部, 講師 (60363082)

研究分担者 森田 克也  広島文化学園大学, 看護学部, 教授 (10116684)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード疼痛 / 神経障害性疼痛 / PRIP / クロライドイオン / 亜鉛イオン
研究実績の概要

前年度までの研究では、PRIPに対するsiRNAを用いて脊髄レベルで発現量を抑制したモデル動物において、疼痛が発症することを明らかにした。このモデル動物における疼痛発症には、細胞内クロライドイオン濃度を制御するKCC2タンパク質の機能抑制が関与していた。KCC2の機能は、同タンパク質のリン酸化状態に依存することが知られており、本モデル動物においてもリン酸化状態の変化が認められた。
本年度の研究は、疼痛発症に関与する新たな因子の解析をおこなった。候補因子として、細胞内亜鉛濃度を制御するZNT1に注目し解析をおこなった。ZNT1に対するsiRNAを用いて、脊髄レベルで発現量を抑制したモデル動物では、長期間に渡る疼痛が観察された。このモデル動物では、細胞内亜鉛濃度の上昇が認められた。さらに、PKCの細胞膜移行および炎症に関与する転写制御因子であるNFκBの細胞核内への移動が認められた。また、炎症物質であるインターロイキン6およびBDNFの発現量の増加が認められた。BDNFの機能については、様々なものが報告されているが、その中にはKCC2の発現抑制がある。そこで、KCC2の発現量を、ZNT1発現抑制モデル動物で検討したところ、有意に減少していた。このことから、細胞内亜鉛濃度の増加は、KCC2の発現抑制を介して疼痛発症を誘導することが推察される。このZNT1とPRIPの関連性については、今後の検討課題である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は、新たな候補分子の解析をはじめた。この候補分子自体と疼痛発症の関連性については、順調に解析を進めることが出来た。しかしながら、PRIP分子との関連性については、難航している。

今後の研究の推進方策

新しい候補分子としてZNT1に注目して解析を進めているが、PRIP分子との関連性については、明らかとなっていない。この点について、解析を進めていきたい。また、PRIP分子との関連性が見出せない場合でも、ZNT1および細胞内亜鉛イオン濃度が神経障害性疼痛発症メカニズムに関与する可能性は高く、この点について研究成果として発表する予定である。

次年度使用額が生じた理由

本年度4月から現職に転出したため、実験環境を整備する必要性があった。このため、本課題に関する計画に遅れが発生したためである。

次年度使用額の使用計画

新規候補分子については、解析を終了している。この分子は、神経障害性疼痛の発症に関与する可能性は非常に高い。今後は、PRIP分子とこの新規候補分子であるZNT1とのクロストークの可能性について解析をおこなう。また、ZNT1と神経障害性疼痛に関する研究成果を発表する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件)

  • [雑誌論文] Palliation of bone cancer pain by antagonists of platelet-activating factor receptors.2014

    • 著者名/発表者名
      3.Morita K., Shiraishi S., Motoyama N., Kitayama T., Kanematsu T., Uezono Y., Dohi T.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 9 ページ: e91746

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Relief cancer pain by glycine transporter inhibitors.2014

    • 著者名/発表者名
      1.Motoyama N., Morita K., Shiraishi S., Kitayama T., Kanematsu T., Uezono Y., Dohi T.
    • 雑誌名

      Anesthesia & analgesia.

      巻: 119 ページ: 988-995

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2016-05-27  

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