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2012 年度 実績報告書

エンドセリンによる口腔顔面痛誘発メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 24592810
研究機関九州歯科大学

研究代表者

小野 堅太郎  九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (40316154)

研究分担者 人見 涼露  九州歯科大学, 歯学部, 助教 (70548924)
稲永 清敏  九州歯科大学, 歯学部, 教授 (90131903)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2013-03-31
キーワードエンドセリン / ET_A受容体 / ET_B受容体 / カルシウムイメージング法 / パッチクランプ法 / 三叉神経節ニューロン / 口腔顔面疼痛モデル
研究概要

エンドセリンはET_A受容体とET_B受容体が同定されている。ETA受容体を介した疼痛発生が知られており、ET_B受容体は逆に鎮痛効果を示すとの報告がある。しかしながら、三叉神経節ニューロンには後根神経節ニューロンには発現していないET_B受容体が発現しているとの報告がある。これまでに三叉神経節ニューロンにおける細胞レベルでのエンドセリン作用を調べた報告はなく、口腔顔面領域でのエンドセリン疼痛発生機構は不明である。そこで本研究では、三叉神経節ニューロンにおけるエンドセリン受容体発現と細胞機能について明らかにし、各口腔顔面疼痛モデルにおけるエンドセリンの関与について明らかにすることであった。
まずラット単離三叉神経節ニューロンにおけるエンドセリンの作用について検討した。パッチクランプ実験において三叉神経節ニューロンはエンドセリン-1投与によりカプサイシン誘発内向き電流を促進し、この促進はPKC抑制薬によって抑制された。免疫染色法によりエンドセリン-1刺激はPKC_εの膜移行を誘発し、この反応ETB受容体拮抗薬BQ-788ではなく、ETA受容体拮抗薬BQ-123により抑制された。一方、カルシウムイメージング法においてエンドセリン-1は細胞内カルシウム濃度を上昇させたが、BQ-123ではなくBQ-788により抑制された。これらの結果は、ラット三叉神経節ニューロンはET_A受容体活性化によりPKC_εの膜移行によるカプサイシン受容体TRPV1チャネルを感作させ、ET_B受容体活性化により細胞内カルシウム動員を誘導することを示唆する。
ラット鼻毛部にエンドセリン-1を投与することによって、疼痛関連行動の1つである顔面グルーミング時間が延長した。ラット由来乳癌細胞を鼻毛部に接種することにより得られる顔面癌モデルにおいて、顔面グルーミング時間の延長がETA受容体拮抗薬BQ-123により抑制された。歯周病疼痛モデルと口内炎疼痛モデルの作成に成功したので、受容体拮抗薬の作用については今後検討する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Comparison of the electrophysiological and immunohistochemical properties of acutely dissociated and 1-day cultured rat trigeminal ganglion neurons2012

    • 著者名/発表者名
      Ono K, Xu S, Hitomi S, Inenaga K
    • 雑誌名

      Neurosci Lett

      巻: 523 ページ: 162-166

    • DOI

      10.1016/j.neulet.2012.06.069

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Distinct time courses of microglial and astrocytic hyperactivation and the glial contribution to pain hypersensitivity in a facial cancer model2012

    • 著者名/発表者名
      Sago T, Ono K, Harano N, Furuta-Hidaka K, Hitomi S, Nunomaki M, Yoshida M, Shiiba S, Nakanishi O, Matsuo K, Inenaga K
    • 雑誌名

      Brain Res

      巻: 1457 ページ: 70-80

    • DOI

      10.1016/j.brainres.2012.03.039

    • 査読あり
  • [学会発表] ラット三叉神経節ニューロンのエンドセリン受容体を介した侵害受容機構2012

    • 著者名/発表者名
      山本徹、小野堅太郎、人見涼露、原野望、吉田光広、布巻昌仁、椎葉俊司、渡辺誠之、稲永清敏
    • 学会等名
      三叉神経領域の感覚-運動統合機構研究会
    • 発表場所
      日本大学歯学部1号棟4階大講堂(東京都)
    • 年月日
      20120707-20120708
  • [学会発表] 口内炎誘発疼痛解析のための覚醒下ラット口腔内刺激法の開発2012

    • 著者名/発表者名
      小野堅太郎、人見涼露、宮野加奈子、太田洋二郎、上園保仁、的場元弘、稲永清敏
    • 学会等名
      三叉神経領域の感覚-運動統合機構研究会
    • 発表場所
      日本大学歯学部1号棟4階大講堂(東京都)
    • 年月日
      20120707-20120708

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公開日: 2014-07-16   更新日: 2014-11-26  

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