研究課題
破骨細胞分化を抑制するアルクチゲニンを用い、NFATc1が関わる細胞内シグナルについて解析し、以下の成果を得た。1.前年度に作製した9種類のリン酸化修飾模倣型NFATc1の重複組合せを行って、レトロウイルス遺伝子導入法を用いて破骨細胞前駆細胞に発現させ、破骨細胞分化を検討した。2箇所および3箇所を修飾模倣型に変えた変異型NFATc1でも、アルクチゲニンによる分化抑制を回復することができなかった。また、T細胞で特異的にリン酸化されると報告のあったTyr371の変異でも回復することはできなかった。2.NFATc1を必要とする細胞系譜におけるアルクチゲニンの影響:分化過程においてNFATc1を高発現する樹状細胞系譜において、アルクチゲニン処理はCD80/CD86陽性の成熟樹状細胞の形成を阻害することはなかった。3.骨吸収機能におけるアルクチゲニンの作用機序の解析:破骨細胞の細胞骨格形成に関与するPyk2、Src、Cbl、FAK、Cas、vATPase、avb3-integrinの遺伝子発現を定量的RT-PCR方により解析した。骨吸収を抑制する濃度において、これらの遺伝子発現は影響を受けなかった。また、免疫組織学的解析を行なったところ、Srcの細胞内局在はアクチンリングの領域に存在し、アルクチゲニン添加の影響を受けなかった。また、Srcのリン酸化状態をウェスタンブロット法により解析したところ、有意な差は見られなかった。カルシウムオシレーションをコンフォーカル顕微鏡で経時的に観察したが、アルクチゲニン処理群は対照群と同様にオシレーションが観察された。
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PLoS ONE
巻: 9 ページ: e85878~e85878
10.1371/journal.pone.0085878
Scientific Reports
巻: 4 ページ: 4493~4493
10.1038/srep04493
http://www.mdu.ac.jp/laboratory/research_contents/index.html