研究課題/領域番号 |
24592823
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
鍛治屋 浩 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (80177378)
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研究分担者 |
岡本 富士雄 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (60153938)
岡部 幸司 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (80224046)
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キーワード | 破骨細胞 / ビスフォスフォネート製剤 / ファルネシル2リン酸合成酵素 / Clイオン輸送体 |
研究概要 |
【目的】ファルネシル2リン酸合成酵素(FDPS)はメバロン酸・コレステロール代謝経路においてタンパク質をファーネシル化する翻訳後修飾酵素の1つである。この修飾されたタンパク質が細胞膜へ移行し、細胞の増殖、分化、移動など機能を担うことが知られている。一方、骨粗鬆症治療薬である窒素含有ビスホスフォネート(NBPs)はこのFDPS活性を抑制し、破骨細胞の骨吸収を抑制することが知られている。しかしながら、FDPSが骨ミネラル溶解ための酸分泌輸送体を調節しているか全く不明である。我々はFDPSがClC-7型Cl輸送体(ClC7)の細胞質ドメインに結合することを明らかにした。本研究は破骨細胞のFDPSの発現とCl分泌能との関係について野生型(WT)と破骨細胞特異的なFDPSトランスジェニックマウス(FDPStg)用い検討した。【方法】破骨細胞分化過程におけるFDPS発現とCl分泌能との関係について検討した。野生型(WT)とFDPS tgマウス脛骨を用いてμCT法と骨形態解析法を行った。【結果と考察】WTマウス由来の破骨前駆細胞においてFDPSの発現が認められ、RANKLによる分化刺激によりわずかに増加した。破骨細胞やFPDSとClC7を過剰発現したHEK細胞において局在はほぼ一致し、免疫沈降法により両分子が会合することが解った。FDPS阻害剤ゾレンドロン酸はClC7由来のCl分泌能を濃度依存性に抑制し、細胞内Cl蓄積が誘発された。脛骨骨密度はWT比較しFDPS tgマウスで優位に減少していた。以上の結果より、FDPSはin vitroとin vivo共にCl分泌輸送体を調節し骨吸収活性化方向に調節していることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は作成したトランジェニックマウスの解析がほぼ終了し、海外と国内の関連主要学会で成果報告を行うことが出来た。さらに、現在論文を準備中である。従って、本研究課題に対する進行はほぼ順調だと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
現在、執筆中の本研究課題関する論文を投稿し発表する。この発表に際し、追加実験が必要となれば早急に行う予定にしている。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究の遂行上、年度末に購入した物品の支払いが納入が遅れたため 次年度に納入が遅れた物品に関して至急支払いを行う。
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