研究課題/領域番号 |
24592830
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
勝良 剛詞 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30283021)
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研究分担者 |
青山 英史 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80360915)
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キーワード | 放射線粘膜炎 / 頭頸部放射線治療 / 散乱線 / スペーサー / 増悪緩和 |
研究概要 |
本年度は基礎データーを基に材質として歯列に近接した頬脂肪体に近い密度と実効原子番号を持つものは低密度エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(ERKOFLEX®・ERKODENT社)であることが判明した。 加えて、本年度は過去の報告から歯冠修復物からの散乱線の飛距離は5mmで程度であったことから、5mm厚の低密度エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(ERKOFLEX®・ERKODENT社)を利用し、金属歯冠修復物と近接した18頬粘膜に対し放射線粘膜炎の増悪緩和効果の臨床評価を行った。同部は44-60Gy(中央値45Gy)照射された。また、12例中9例は5FUとCDDPの化学療法が併用されていたが、40Gyの時点まですべてgrade 1以下、60Gyの時点ですべてgrade 2以下の粘膜炎であり、放射線治療中にスペーサーを使用できなくなった症例やスペーサーによると思われる有害事象は全治療期間を通して認められなかった。 本邦では照射野に歯冠修復物が含まれる場合、修復物の除去が選択されることが多く、これは散乱線による粘膜炎悪化を防ぐ反面、修復物除去後にテンポラリークラウンの作成が必要となり患者の負担が大きく、照射野に含まれるという理由で十分機能している修復物が除去されることが多く、放射線治療後に再製作が必要となることから無駄な医療費かかることになる。一方、本研究でのスペーサーは、散乱線による粘膜悪化を防ぐだけでなく、医療費抑制効果も期待できる歯科技術であり、現在急速に進んでいるがん医科歯科連携においての早期の活用が必要であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は金属歯冠修復物の形態や体積の線量分布への影響を分析する予定であったが、病院改修等の影響でスペーサー素材の基礎的検討と臨床的効果の予備研究までとなってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
病院改修工事もほぼ終了し、本研究遂行にあたり今後は影響ないと考えられることから、今後は本年年度で行う予定であった金属歯冠修復物の形態や体積の線量分布への影響の分析を進め、最終年度に行う予定である介入研究まで滞りなく進める予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は金属歯冠修復物の形態や体積の線量分布への影響を分析する予定であったが、病院改修等の影響でスペーサー素材の基礎的検討と臨床的効果の予備研究までとなってしまい当初の研究計画から送れてしまい使用予定額を下回った。 今後は本年年度で行う予定であった金属歯冠修復物の形態や体積の線量分布への影響の分析を次年度研究計画に平行して行う。
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