研究課題/領域番号 |
24592830
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
勝良 剛詞 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (30283021)
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研究分担者 |
青山 英史 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80360915)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 放射線治療 / 口腔粘膜炎 / 散乱線 / 有害事象予防 / がん治療 / 線量分布 |
研究実績の概要 |
放射線治療は手術と比べ機能や形態の温存に優れ治療効果も遜色ないことから、口腔・頭頸部癌の根治治療として選択されることが多い。しかし、放射線口腔粘膜炎(以下;粘膜炎)は必発であり、粘膜炎が悪化すると治療線量の減量が必要になり治療効果を低下させることから、口腔・頭頸部癌放射線治療において粘膜炎対策は重要である。粘膜炎は粘膜線量が増加するほど悪化する。照射野内の歯科用金属は口腔特有の線量増加因子であり、金属による粘膜線量増加を予防する装置として線量増加防護デバイスがあるが 素材や厚みについて不明な点が多い。そこで、歯科で多用される合金の線量増加による線量分布変化とデバイスと線量分布変化との関係を解析したころ合金による線量増加は側方で3mm以内、後方で5mm以内であったが後方は6mm以上離れると線源に近づくことによる線量増加が起こることが示され最適な厚みは5mmであることが示唆され線量増加防護デバイスの最適な厚みは5mmであると報告した。また、合金による線量増加は実効原子番号、平均原子番号、物理密度に比例して直線的に増加することが電離箱とEBTフイルムで示され、モンテカルロシミュレーションによっても証明できたことで、新たな放射線物理現象として報告した。この物理現象は金属以外の物質でも起こっていることを示唆する実験データーが金属以外の材料の電離箱実験で示唆され線量増加防護デバイスの素材は実効原子番号、平均原子番号、物理密度が低いものが最適であることが示唆されEBTフイルムでも実証しモンテカルロシミュレーションで証明する予定である。今後はこれらのデーターを基に高精度放射線治療への利用を目的とした最適なデバイス素材と設計を提示し企業と連携し新規医療器具として日本から発信していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
EBTフィルムによる検証で、フィルム個々の特性誤差を考慮せずに実験を行ったため、電離箱実験の結果と大きなズレが生じ、実験回数を増やしフィルム個々の特性誤差を考慮した実験を行う必要があるため。
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今後の研究の推進方策 |
このれまでの研究の実験データで得られた金属で起きている物理現象が金属以外の物質でも起こっていることを示唆する実験データーが金属以外の材料の電離箱実験で示唆されたので、EBTフイルムでも実証しモンテカルロシミュレーションで証明する予定である。今後はこれらのデーターを基に高精度放射線治療への利用を目的とした最適なデバイス素材と設計を提示し企業と連携し新規医療器具として日本から発信していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
EBTフィルムによる検証で、フィルム個々の特性誤差を考慮せずに実験を行ったため、電離箱実験の結果と大きなズレが生じ、実験回数を増やしフィルム個々の特性誤差を考慮した実験を行う必要があるため。
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次年度使用額の使用計画 |
このれまでの研究の実験データで得られた金属で起きている物理現象が金属以外の物質でも起こっていることを示唆する実験データーが金属以外の材料の電離箱実験で示唆されたので、EBTフイルムでも実証しモンテカルロシミュレーションで証明する予定である。本年度は前回の反省を踏まえEBTフィルムを買い足し1実験を3から5回繰り返して行う。今後はこれらのデーターを基に高精度放射線治療への利用を目的とした最適なデバイス素材と設計を提示し企業と連携し新規医療器具として日本から発信していきたい。
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