研究課題
本研究では、歯科用合金とスペーサー素材による後方散乱線の放射線治療の線量分布への影響を電離箱、EBTフィルムで実測値で検証し、モンテカルロシミュレーションとそれらの関係を検証し、EBTフィルムの結果とモンテカルロシミュレーションの結果が同等であると立証できたのでモンテカルロシミュレーションを用い放射線治療計画システムで解析不能な物質の線量分布への影響を詳細に検証した。その結果、後方散乱線は物質の原子番号および物理密度と直線的な関係を示し、後方散乱線量は「0.077×√平均原子番号+0.79」で推定できることが明らかになった。これは金属の様な高原子番号物質だけでなく、スペーサー素材のような低原子番号物質で応用できることも示された。さらに本研究では、口腔粘膜炎の悪化予防の基礎的検討として、後方散乱電子による吸収線量増加とスペーサー素材の原子番号、物理密度との関係の評価を行った。その結果、後方散乱線予防用スペーサー素材として原子番号、物理密度ともに低い物が適しており、厚みは6 mm必要であることが明らかになった。本研究の結果は、放射線治療補助器具の保険収載に貢献し世界的にも注目されている。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (3件)
J Radiat Res
巻: 57 ページ: 709-713
https://academic.oup.com/jrr/article-lookup/doi/10.1093/jrr/rrw092