研究課題/領域番号 |
24592831
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷口 佳孝 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 招聘教員 (10551468)
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研究分担者 |
大倉 正也 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (10281130)
和田 孝一郎 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (90263467)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | Aquaporin / 扁平上皮癌 / 増殖 / 浸潤 / 転移 / 異所性発現 / FABP |
研究概要 |
我々は口腔扁平上皮癌においてアクアポリン3と5が高発現していることを舌癌患者組織切片を用いた研究から明らかにした。これらの分子は正常上皮には殆ど発現していないことから、癌化した細胞に異所性に高発現することが明らかになった。更にアクアポリン3あるいはアクアポリン5をsiRNAを用いて特異的にノックダウンすることにより、培養癌細胞の増殖を有意に抑制することができた。これらの結果から、アクアポリンが癌細胞の増殖に重要な役割を果たしていることが明らかになった。また、更に詳細な検討を加えた結果、アクアポリンによる癌細胞増殖のメカニズムも明らかにすることができた。 我々のグループは、これら一連の研究成果をまとめ、英語論文として発表することができた。 更に一連の研究を通じて、アクアポリンと関連する分子が、アクアポリンと同じように扁平上皮癌の増殖をコントロールしている可能性も見出された。その分子の一つがFatty acid-binding protein (FABP) であった。これらの分子もやはり扁平上皮癌の癌部に特異的にかつ異所性に高発現しており、癌細胞の増殖に重要な役割を果たしている可能性が極めて高い。現在、これら分子の役割を詳細に検討し、アクアポリンを含めた異所性高発現タンパク群による癌細胞増殖・浸潤・転移における役割について研究遂行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
我々は口腔扁平上皮癌においてアクアポリン3と5が高発現していることを舌癌患者組織切片を用いた研究から明らかにすることができた。更にアクアポリン3あるいはアクアポリン5をsiRNAを用いて特異的にノックダウンすることにより、培養癌細胞の増殖を有意に抑制することもできた。併せて詳細な検討の結果、アクアポリンによる癌細胞増殖のメカニズムも明らかにすることができた。その結果、これら一連の研究成果をまとめ、英語論文として発表することができた。これら客観的な事実からも、研究は非常に順調に進んでいると言える。 更に一連の研究を通じて、アクアポリンと関連する分子が、アクアポリンと同じように扁平上皮癌の増殖をコントロールしている可能性も見出している。これは当初の計画を大幅に上回るものと考えられる。よって、本研究は計画以上に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
アクアポリン3およびアクアポリン5による癌細胞増殖促進作用は明らかになったが、浸潤、転移に及ぼす影響については現在、研究推進中である。今後はまず、浸潤におけるアクアポリン3およびアクアポリン5に役割について、siRNAを用いたこれら分子の特異的にノックダウンによって研究を進める。また、これらの結果が順調に推移するようであれば、転移における役割についても検討を加える。 上記の研究と合わせて、今回見出した、アクアポリンと同様に癌組織に異所性に発現し、癌細胞の増殖に重要な役割を果たしている可能性のある分子(FABPなど)についても、その役割を明らかにしていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費はおおむね計画通り使用されている。本年度に関しても当初の見込み額と執行額に殆ど差異はなく、計画通りである。次年度以降も同様に、計画通り研究費を使用していく予定である。
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