研究課題/領域番号 |
24592832
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
浅海 淳一 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60184131)
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研究分担者 |
此内 浩信 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (20294423)
久富 美紀 岡山大学, 大学病院, 講師 (60314704)
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キーワード | KNK437 / 血管新生阻害作用 / 抗腫瘍効果 / PET |
研究概要 |
口腔癌担癌マウスモデル作製~腫瘍抑制効果検討~腫瘍転移効果検討については前年度より引き続き、当初計画を達成できた。25年度はC3H:HeNマウスに対して、同マウス由来頬部扁平上皮癌sq-1979株を背部皮下より播種、担癌させ、モデルマウスを作製。薬剤非投与群、KNK437投与群の2群に分けて比較し、前年度決定の至適濃度によるKNK437投与は腹腔内、週1回とした。さらに前年度予定していた、臓器転移モデルマウスでの小動物用PETイメージング撮像を試行、腫瘍の全身での転移状況を比較検討出来た。ただし、従来のモデルマウスにおける結果としては、背部皮下原発想定腫瘍からの遠隔転移腫瘍の存在は少なく、投薬群、非投薬群において顕著な差がなかった。しかし、検討したマウス数が少なく不十分であるため、本年度は引き続きPETと組織化学的染色による、KNK437遠隔転移阻害作用を検討する。このような結果を享けて、従来のマウス作製方法に加えて、本年度はより臨床に近い方法を検討した。マウス背部皮下に播種、担癌させ、一定の大きさに達した時点で腫瘍摘出した後、各投薬群に分けて投薬を開始するもので、このモデルマウス作製方法の採用によって、より臨床に即した抗腫瘍作用を明らかにできると考えたためである。特に従来法では原発を模した背部腫瘍を摘出せず腫瘍残存している状態での投薬であったため、薬剤効果が判然としなかった可能性がある。今年度の生存率計測に関しては、現在継続中である(2014年4月現時点で8か月年経過)。現状としては、どちらのマウスモデルにおいても、遠隔転移については明らかな有意差を認めていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度は、腫瘍転移を生じるマウスモデルの作製方法をより臨床的な新たなものに変更したことにより、新手法によって遠隔転移を生じるまでの期間が延長して達成度は低下し、当初予定の60%程度の達成度となった。血管新生阻害作用については、in vivoにおける解析を免疫組織学的に行うべく、抗体の選定準備段階である。
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今後の研究の推進方策 |
in vivoでのKNK437による抗腫瘍効果の検討に際して、生存率や転移阻害効果などは現在検討中であり、マウス個体数については十分数に達していると考える。今後の方針としては前年度までに回収した検体の解析を行い、最終年度まとめ、発表予定学会における報告を目指す。KNK437関連因子、発現解析に関しては、サイトカインアレイを受託にて検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
この繰り越しは本年度に使用する予定であったPET撮像に必要な経費であったが、前年度はモデルマウス作製時期とPET撮像スケジュールの調整が合わず、前段階の撮像にとどまったため、今年度に持ち越しとした。 前年度よりの繰り越し金はPET撮像に充てる予定である。次年度配分予定の研究費の使用計画は当初より変更なし。
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