研究課題/領域番号 |
24592832
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
浅海 淳一 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60184131)
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研究分担者 |
此内 浩信 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (20294423)
久富 美紀 岡山大学, 大学病院, 講師 (60314704)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | KNK437 / 癌細胞温熱耐性獲得阻害剤 / 腫瘍転移阻害効果 / 血管新生阻害効果 / FDG-PET / 肺転移阻害効果 / 抗腫瘍増大効果 |
研究実績の概要 |
KNK437は副作用が少ない熱ショックタンパク阻害剤として知られている。物質特許としてストレス性疾患治療剤(US6281229)、癌細胞温熱耐性獲得阻害剤などの報告がある。我々はKNK437の腫瘍転移阻害効果、血管新生阻害効果をin vitroで明らかにし特許取得した。本研究にあたってin vivoにおける薬剤の代謝、影響を検討するため、KNK437の抗腫瘍増大効果・転移阻害効果の検討に小動物用PET装 置を用いて撮像し、免疫染色による転移評価と比較する事が出来た。C3H:HeNマウスに対して、同マウス由来頬部扁平上皮癌sq-1979株 を背部皮下に播種担癌させ、モデルマウスを作製、実験全体を通じて供した。モデルマウスに対してKNK437投薬(薬剤非投薬コントロール群、KNK437投 薬群を設定)を週1回死亡するまで行い、腫瘍体積量、腫瘍重量、生存率、FDG-PET撮 像結果を解析した。モデルマウスの背部皮下の腫瘍体積量は、非投薬コントロール群とKNK437投薬群の間に、投薬開始後10回目でKNK投薬群の腫瘍体積量が抑制されたが。腫瘍重量に大きな差はみられなかった。生存率の比較においても 非投薬コントロール群と比してKNK437投薬群の生存率の向上はみられなかった。さらに、臓器転移モデルマウスでの小動物用PETイメージング撮像を試行、腫瘍の全身での転移状況を比較検討出来た。FDG-PET撮像にて、非投薬コントロール群とKNK437投薬群の間に画像で捉えられる大きな差はみられなかったが、ガンマカウンターによるBio distribution結果からKNK437投 薬群は非投薬コントロール群よりも腫瘍部および肺部へのFDG集積量が少ない結果を得た。新規抗癌剤KNK437はin vivoにおける抗腫瘍増大効果、肺転移阻害効果を有することが示唆された。
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