研究課題/領域番号 |
24592834
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
筑井 徹 九州大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (10295090)
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研究分担者 |
徳森 謙二 帝京大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (40253463)
河津 俊幸 九州大学, 大学病院, 助教 (20294960)
吉浦 敬 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40322747) [辞退]
樋渡 昭雄 九州大学, 大学病院, 助教 (30444855)
加美 由紀子 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (60552023)
川野 真太郎 九州大学, 大学病院, 講師 (00398067)
吉浦 一紀 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (20210643)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ダイナミックMRI / permeability / コンパートメントモデル / スピンラベリング |
研究実績の概要 |
前年に引き続きDCE-MRIの臨床研究として、85症例の口腔扁上皮癌患者の原発巣(T2以上)におけるコンパートメント解析を行い、TMN分類、分化度、YK分類との関連を検討した。算出されるパラメーターは、Ktrans (血漿から組織への造影剤の移行定数), Ve (血管外細胞外腔の割合), vp(血漿の割合)である。 分化度、YK分類、T stageにおいては、いずれも有意差を認めなかった。N stageに関しては、KtransにおいてN0群とN2+3群 (P=0.0288)、N1群とN2+3群 (P=0.0198)と有意差を認めた。Ktransは血流量および血管透過性を反映する量であり、原発巣の低酸素状態がリンパ節転移に関与している可能性が示唆された。最近の免疫染色 HIF-1αの報告とも一致し、納得のいくものであった。 また、顎顔面領域の腫瘤性病変(12病変、脳血管障害を認めない症例)に関して、合わせてarterial spin labeling法(ASL法)の撮影を行った。ASLはpCASLを用いた。頭頸部ではラベル効率が均一でない事が予想されたため、小脳と比較する事により半定量的に解析し相対的血流量(r BF)とした。金属アーチファクト、体動、病変が小さい事などより4病変で同定が困難であり、8病変(67%)の評価に留まった。r BFは、veとは相関を認めなかったが、Ktrans (Spearmanの順位相関係数ρ=0.819, P=0.046), vp (ρ=0.93, P=0.005)とは正の相関を有した。vpとrBFとの強い相関は、腫瘍性病変では血管新生が血流増大に関与しているためと考えられた。このような点からBFは腫瘍性病変の特徴を造影剤を用いず評価できる可能性が示唆された。一方、使用装置ではASLはエコープラナー法のみしか撮影できない事もあり、病変の検出率が低く、T3症例以上でないと描出が困難である事が問題と考えられた。
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