研究課題/領域番号 |
24592836
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
西下 一久 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (20237697)
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研究分担者 |
坂井 詠子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (10176612)
岡元 邦彰 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (10311846)
筑波 隆幸 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (30264055)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 細胞内プロテアーゼ |
研究実績の概要 |
アスパラギン酸プロテアーゼファミリーは、酸性条件下でアミノ末端のプロペプチドが限定分解されて活性化することが知られているが、カルボキシル末端のプロセッシングは報告されていない。前年度の本研究で、Napsin AおよびBではカルボキシル末端の近くでプロセッシングが生じることを見出した。その切断機構と酵素活性に及ぼす影響を探るため、2次元電気泳動と質量分析により解析を行った。ローカルのMascot検索サーバーにFLAGタグを付加させたNapsin AおよびBの配列を登録することで、ペプチドフィンガープリントでリコンビナント配列も検索対象となるようにした。 カルボキシル末端にDYKDDDDKタグ(FLAGタグ)を付加したNapsin AまたはNapsin Bを発現させた細胞と発現させていない対照の細胞との比較で増加する細胞抽出液の2次元電気泳動上のタンパク質スポットのペプチドフィンガープリント質量分析を行ったところ、Napsin AまたはBのトリプシン切断断片を検出したが、すべてFLAGタグを欠いていた。一方、発現細胞抽出液を抗FLAG抗体で免疫沈降して2次元電気泳動で展開したときのスポットはより高分子でPIが高いところに見出され、質量分析でFLAG配列を含むカルボキシル末端のm/zと一致するピークが検出された。これらのスポットは全抽出液の2次元電気泳動では確認できず、生合成後、大部分がカルボキシル末端のプロセッシングを受けていることを示している。カルボキシル末端のFLAGを含むペプチドは10 kDaより大きければ抗FLAG免疫沈降の2次元電気泳動でスポットとして観察されるはずであったが見出されなかった。Napsin AおよびBのカルボキシル末端近くにはトリプシン切断により5アミノ酸以下になるKRリッチ領域が20アミノ酸長ほど存在していて、この部位でのプロセッシングの可能性については、質量分析による確認が不可能であった。
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