今後の研究の推進方策 |
口腔扁平上皮癌細胞株を用いたin vitroの解析により、Aktが腫瘍の発生に関わっていることが示されている。活性化Aktが高発現している口腔扁平上皮癌細胞株を免疫不全マウスに移入し、in vivoにおける腫瘍形成や転移能などを調べる。次に、腫瘍形成マウスにおける炎症・免疫細胞の種類をフローサイトメーターにより測定する。これらの炎症細胞が発現しているサイトカイ・ケモカイン、特に炎症性サイトカイン(IFN-γ, IL-6, TNF-αなど)や抗炎症性サイトカイン(IL-2, IL-10, IL-35, TGF-βなど)に着目し、炎症細胞および炎症細胞由来サイトカイン・ケモカインの役割を検討する。 これらの細胞株を用いた解析に加えて、癌患者の病態に近いと想定される化学発癌モデルを用いて、口腔扁平上皮癌の発症・転移に及ぼす炎症の影響を調べる。特に、免疫不全マウスに細胞株を移入することによって得られる腫瘍形成に関わっていると想定される炎症性細胞あるいは炎症性サイトカインが化学発癌系においても機能しているか否かを明らかにしたい。
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