研究課題
本学の現有の加速器施設(量子科学研究所、電子線利用研究施設LEBRA)、特に今回の主題であるパラメトリックX線に関しては世界をリードしている立場にある。本研究の目的は新しいX線としてのパラメトリックX線の際立った特性(X線ビームの単指向性、平行性、波長可変性、高コヒーレンス性など)をX線画像診断に医療応用するものである。1)位相コントラストイメージング:高性能X線CCDカメラ(現有機器)、イメージングプレート(現有機器)、X線フィルムなどのX線検出系を用いて、X線の吸収端の検討および犬の悪性腫瘍を撮影し、従来型エックス線検査との比較を、病理組織像とも対比して行った。これら結果は2014年9月7-12日に開催された96th Annual Meeting, Scientific Sessions and Exhibition, American Association of Oral and Maxillofacial SurgeonsにおいてClinical application of parameteric X-ray in diagnostic imaging: Preliminary studyとして発表もした。2)X線吸収と吸収端:X線波長の変化に伴う元素固有のX線吸収曲線による組成分析とX線吸収微細構造(XAFS)について、LEBRA-PXR は他所と違って1枚で撮影できる優越性がある。この特徴についても確証実験を行った。3)X線の生物学的効果:細胞や組織がX線によるダメージを受けることは知られているが、X線波長依存性について研究例が少なく、この関係が明らかになると、集団健診、乳がんのマンモグラフィー、がん放射線治療などに新たな道が拓かれるためである。今後も詳細な検討が必要である。また、パラメトリックX線の医療応用として「Preliminary clinical application study of parametric X-ray in diagnostic imaging」と題する論文をInt J Oral-Med Sciに発表した。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (1件)
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