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2012 年度 実施状況報告書

歯周病起因性動脈硬化における歯周病原性細菌の動態及び制御機序についての解析

研究課題

研究課題/領域番号 24592845
研究種目

基盤研究(C)

研究機関日本大学

研究代表者

橋爪 智美  日本大学, 歯学部, 助手 (50419785)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード歯周病 / 動脈硬化 / A. actinomecetemcomitans / P. gingivalis / GFP / IL-17
研究概要

本研究の目的は、歯周病原性細菌感染に起因する動脈硬化促進メカニズムの解明である。当該年度では歯周病原性細菌の感染後の生体内動態を解析する目的で、Aggregatibactor actinomycetemcomitans(A.a.)にGFPを発現させた組換え体の作製を実施した。また、動脈硬化抑制につながるメカニズムの解析として、動脈硬化モデルマウスであるApoe欠損マウスにPorphyromonas gingivalis(P.g.)を経尾静脈投与し制御性T細胞に関して分析した。
A.a.から染色体を精製しロイコトキシンプロモーター(ltxp)領域をPCRで増幅させベクターに挿入後大腸菌に形質転換した(plasmid1)。次にプラスミド(pAcGFP1)のGFP領域をPCRで増幅しplasmid1に挿入後大腸菌に形質転換しようと試みたがクローニングできなかったため、pAcGFP1からGFP領域を制限酵素で切り出しベクターに挿入後形質転換した(plasmid2)。ltxp領域のフレームを変えるためplasmid1から切り出しベクターに挿入した(plasmid1')。plasmid2からGFP領域を切り出しplasmid1’のltxp領域の下流に挿入後形質転換した(plasmid3)。plasmid3からltxpとGFP領域を切り出し、A.a.と大腸菌のシャトルベクターに挿入しエレクトロポレーション法を用いて形質転換した(plasmid4)。しかしシークエンス解析したところ、リボソーム結合部位であるシャイン・ダルカノ配列が欠如しており、ltxp領域を入れ直す必要がある。
Apoe欠損マウスにP.g.を経尾静脈投与したところ血清中IL-6、IL-17、TGF-betaの増加が認められTh17応答が誘導されることで炎症反応を引き起こし動脈硬化促進につながる可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は歯周病並びに動脈硬化制御につながるメカニズムの解明であり、歯周病原性細菌感染性動脈硬化促進におけるT細胞サブセットの解析と、歯周病原性細菌の感染後の生体内における動態、局在を解析することを目的としている。
歯周病原性細菌であるP. gingivalisを動脈硬化モデルマウスであるapoe欠損マウスに経尾静脈投与した結果、Th17応答が誘導されていることが認められ、制御反応が誘導されていない可能性が示唆された。さらに詳細な解析を加え動脈硬化抑制効果について検討していく。
歯周病原性細菌の感染後の動態解析に用いる組換え型GFP発現A. a.の作製に関しては、A. a.由来のロイコトキシンプロモーター領域とGFP遺伝子をA. a.と大腸菌のシャトルベクターにクローニングするところまで一旦は完了した。しかし、シークエンス解析の結果シャイン・ダルカノ配列が欠如しており、シャイン・ダルカノ配列を含んだロイコトキシンプロモーター領域を再度入れなおす必要がある。

今後の研究の推進方策

歯周病原性細菌感染性動脈硬化促進マウスにおけるTh17、Tregサブセット、炎症反応関連分子(IL-1beta、IL-10、IL-21、IL-23、STAT3、cox-2等)に関してより詳細に遺伝子レベル(リアルタイムPCR、PCR、DNAマイクロアレイ)、細胞レベル(フローサイトメトリー)、組織レベルで解析を加え、動脈硬化制御につながるメカニズムについて検討していく。
また、GFP発現A. a.組換え体の作製を継続して行い完成させる。ますシャイン・ダルカノ配列をふくんだロイコトキシンプロモーター領域を再度PCRで増幅させ、GFP遺伝子と共に大腸菌とA. a.のシャトルベクターに挿入し大腸菌に形質転換する。ロイコトキシンプロモーター領域とGFP遺伝子が組み込まれた大腸菌とA. a.を共培養することによって組換え型GFP発現A. a.を作製する。
次に、組換え型GFP発現A. a.をマウスに経尾静脈、経口投与し一定時間後に心臓、大動脈、脾臓、肝臓を取り出し組織切片を作成し蛍光顕微鏡で分析することで生体内における歯周病原性細菌の感染後の動態について解析する。また、in vitroの系におけいて血管内皮細胞、平滑筋細胞、繊維芽細胞の立体培養及び単級系細胞に組換え型GFP発現A.a.を感染させ細胞内局在について共焦点レーザー顕微鏡を用いて解析する。

次年度の研究費の使用計画

GFP発現A.a.作製のための遺伝子組み換え実験:シャイン・ダルカノ配列を含んだロイコトキシンプロモーター領域の増幅(プライマー一式(10万)、PCR関連試薬一式(20万)、制限酵素一式(15万)、ライゲーション用市試薬一式(10万)、シークエンス関連試薬一式(10万)
動態実験:ApoE欠損マウス(40万)、組織切片作製用試薬一式(10万)
制御性T細胞解析:ApoE欠損マウス(10万)、蛍光標識抗体一式(20万)、リアルタイムPCR関連試薬一式(23万)、ELISAキット一式(20万)、シャーレ、遠心チューブ等のプラスチック器具一式(20万)
in vitro立体培養系:プラスチック培養器具一式(20万)、血管内皮細胞(5万)、平滑筋細胞(5万)、繊維芽細胞(5万)

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Emerging function of Th17 responses for development of atherosclerosis infected by Porphyromonas gingivalis2012

    • 著者名/発表者名
      Y. Cai, T. Hashizume, R. Kobayashi, T. Kurita-Ochiai, M. Yamamoto
    • 学会等名
      春季歯周病学会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター(札幌)
    • 年月日
      20120518-20120519

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公開日: 2014-07-24  

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