研究分担者 |
中原 貴 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (10366768)
富永 徳子 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (90546532)
田巻 友一 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (10609457)
石川 博 日本歯科大学, 生命歯学部, 客員教授 (30089784)
那須 優則 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (50130688)
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研究概要 |
放射線が歯根形成障害を引き起こすメカニズムを解明するため、これまでに歯根形成が開始する生後5日齢マウスにエックス線を頭部照射し(10Gy、20Gy)、生後6、7、9、11、13、15日齢を観察対象として、マイクロCT解析、HE染色、免疫染色(抗サイトケラチン抗体、抗ネスチン抗体)、BrdU取り込み実験をおこなった。その結果にて、10Gy、20Gy照射の歯根の長さは、OGyと比べて有意に短くなり、生後11日齢でヘルトヴィッヒ上皮鞘(HERS)細胞の動態の異常、根尖部の象牙質形態の異常(HERSを取り囲むように象牙質を形成)が起きることを確認した。 本研究は、この頭部照射が歯根形成に与える影響が放射線の歯への直接的な影響によるものなのか、あるいは照射野に含まれる内分泌器のダメージによる間接的な影響によるものなのかを明らかにするため、採血による血中のホルモン濃度(GH, PTH, TSH, Calcitonin, T4など)の測定を行った。また、さらにホルモン投与による補充実験を行い、歯根の伸長がみられるかの観察を行った。それにより、頭部照射(10,20Gy)を行ったマウスの血中ホルモン濃度は線量依存的に低下していた。一方でホルモン投与を行った実験では歯根伸長の回復はみられなかった。 現在、追加実験によるこれらの確認を行っており、今後、照射後の根尖周囲の細胞でのホルモンレセプターの観察を行うことを検討している。これらにより、内分泌器のダメージによる二次的影響についての新たな知見を得ようと考えている。 本研究の一部は第54回歯科基礎医学会学術大会・総会(2012年9月14、15、16日、奥羽大学、郡山)にて報告を行った。
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